国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(お知らせ)蓑虫庵の魅力とアニメーション

2018年06月08日

三重大学人文学の吉丸雄哉(よしまるかつや)です。

前に酒井裕太さんの紹介がありましたが、酒井さんは蓑虫庵で勤務の経験があるとうかがっています。伊賀の観光スポットで線路以南は足が遠のきがちだと聞きます、それでも蓑虫庵まで足を伸ばして欲しいです。

蓑虫庵は芭蕉門人で伊賀蕉門の中心人物であった服部土芳の草庵で、貞享5年(1688)開庵という伝統のある場所です。忍者関係でいえば、忍者神社として御朱印のもらえる愛宕神社や忍者装束の品揃え随一の伊賀流忍者店が徒歩5分圏内なので、機会逃さず一緒にまわるといいと思います。

遠くの方で蓑虫庵に行けない方も多いと思います。そういう方は『連句アニメーション 冬の日』をご覧ください。ロシア出身の伝説的なアニメーターのユーリ・ノルンシュテインほか高畑勲、鈴木伸一、山村浩二といった有名なアニメーターが35人も参加して、冬の日の連句の世界を再現しています。発句を担当したノルンシュテインが実際に蓑虫庵にきて、縁側で佇むシーンがあるのですが、これがとてもいい雰囲気を出しています。私はたまらず次に伊賀に来たときは蓑虫庵に行ってしまいました。蓑虫庵はとってもおすすめです。

さて、友人の国文学研究資料館の木越俊介先生からイベントのご紹介をいただきました。『冬の日』にも参加していた山村浩二さんとテレビでおなじみのロバート・キャンベル先生と木越先生とでトークセッションを開催するそうです。6月16日(土)で、私は伊賀の忍者忍術講座を聴講しますので行けませんが、東京方面にお住まいの方は行ってみてはいかがでしょうか。山村浩二さんは、私だと『頭山』の印象強いですが、どういう話が展開されるか楽しみです。

チラシの居眠りの絵、単純そうにみえますが、夢の吹き出しが首から出ているところや吹き出し線がふくすうになっているのは、江戸時代の様式のとおりで、よく研究してあると思います。私は十年ほど前に国文学研究資料館のお誘いで職人歌合・職人絵尽の研究をしたことがあって(『図説江戸の表現』「江戸の歌合」)、その点でも『近世職人尽絵詞』を描いた鍬形蕙斎がどう評価されているのか興味あります。

6月16日は遠くのかたは国文学研究資料館へ。伊賀に近くのかたはハイトピア伊賀の忍者忍術学講座にお越しください。(吉丸記)