国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(大学院教育)三重大学大学院「日本中世近世日本文学作品論特講」(吉丸雄哉)

2018年10月15日

2018年度より三重大学大学院人文社会科学研究科地域文化論専攻の忍者・忍術学コースに大学院生が3人入学しました。私の前期の授業「日本中世近世日本文学論特講」は忍者・忍術学コースの学生だけだったので、学生に合わせた授業をしました。基本は書誌学とくずし字です。最近の忍者研究はどんどん新しい史料が発見されて、ゴールドラッシュ状態です。忍者研究が行われていることがわかってきたので、史料を見せたり存在を教えてくれる人が増えたのです。新しい史料が出てきたときに対応できないようでは困ります。前期の授業では書誌学・くずし字の学習と私の講義をセットにして行いました。

書誌学とくずし字の知識はアスリートの基礎体力みたいなもので、これがなければ上になにも積み上がりません。その一方で、前期に学生に書いてもらったり、史料を読んで考えてもらう機会が少ないのは気になっていました。後期の授業では課題図書(とりあえず正忍記から始めている)を読んで、それについて議論していく方法をとっています。毎回”Headline””Focus””Doubt””Mashup”という項目をA4一枚ほどでまとめてもらう方式です。これは昨年度に三菱UFJ総研の読書会に講師として招かれたときに教えていただいた様式で、大学の授業で真似ていいよと言われたので昨年度後期から学部の授業で導入しています。ハードですので、学部で同様の趣旨の授業で概要説明したら、二回目から受講者が半分になってしまったのですが、大学院のほうはへこたれずに頑張ってくれるようです。まずは二回目の授業で正忍記の序とそのあと少しを読んで議論したのですが、打てば響く感じでたいへん楽しく進む予感がしています。

それと、ブログを書いてもらうことにしました。私も毎週書きます。順に載せていくので楽しみにしてください。(吉丸記)