国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(エッセイ/お知らせ)「忍者研究」3号誌の校了(吉丸雄哉)

2020年08月07日

 8月5日に国際忍者学会の会誌「忍者研究」が校了した。8月31日には三重大学の上浜キャンパスに納品されて、9月1日に私と山田先生、高尾先生の三人で発送作業の予定である。
今号は下記のような目次である。あえて英文目次をあげておく。スクロールして見て欲しい。
 3号では5本の論文投稿があり、うち4本を論文として掲載した。新しいジャーナルにもかかわらず採択率が厳しめな本誌であったが、今号が8割の採択率だったのは喜ばしい。他の方も是非投稿に挑戦してみて欲しい。
 今号は平山優氏のような優れた研究者から投稿していただき、質の高い論文を掲載できたのはまず編集者として喜ばしい。と同時に学会や学会誌を通じて忍者研究者を育成するという役割が徐々に果たせてきたのも嬉しい。掲載論文のうち上田哲也氏は前号の研究ノートの著者であった。前号は査読者らから細かい指摘をうけたのだが、それによって研究力をあげて、今号ではよい論文を執筆してくれた。また、田村梨紗氏は前号の査読で「コメント付不採用」だった論文を読むに足る内容まで仕上げてくれた。根気よく指導してくれた査読者の方々にも感謝したい。西村誠氏の論文は第3回国際忍者学会上田大会での発表を元にする。弊誌で初めての理系論文であり、横書きで掲載した。査読には大学医学部の教授クラスのお二人に行ってもらった。西村氏の論文は特定の分野やトピックについて、過去に発表された文献や資料に基づき総括的に論評した種類のもので、医学系では総説論文(Review Article)であると査読者から指摘をうけた。医学誌なら「総説」で掲載したところだが、弊誌の投稿規程には「総説」の部門はないのでここは「論文」として掲載したことご理解いただきたい。
 今年度は8月31日の3号誌の発行をもってまもなく2号誌のJ-STAGEへの登録を行うつもりである。このブログをご覧の方で非会員も多いと思う。是非ご覧いただきたい。
 また、会費未納2年で退会にする予定である。今年度は大会案内が春になかったので、会費納入請求は会誌に同封して行うが、未納の場合は今年度で退会処理になるのでご注意いただきたい。
 また、たいへんな力作揃いのため、新規の入会も大歓迎である。今は150に会員数が満たないが300まで増えれば年二回刊が可能になる(私は死ぬが)。お誘いあって入会のほどお願いしたい。
 なお、このブログは三重大学人文社会系研究科地域文化研究専攻における忍者学の授業の課題として私と大学院生で行ってきた。大学院生のうち、授業が終了してもブログを書き続けてくれる剛の者もいるようだが、私はしばらくブログを停止する。
 三重大学伊賀連携フィールド2020年度前期市民講座 吉丸雄哉教授「石川五右衛門について知っておくべきいくつかのこと」を、8月22日(土)10:30頃 YouTube「三重大学国際忍者研究センター」公式動画アカウントにて配信予定である。この準備に専念したい。
 何はともあれ編集者として発行が確実になったのは心理的にほっとしている。国文学系の学会誌のなかでは、今年度の会誌の発行をとりやめたものがあるようだが、「忍者研究」はカストリ雑誌のように3号で潰れないように今後も頑張っていくつもりである。

NINJA KENKYU Journal of Ninja Studies No.3  August 2020,
Articles
On the Real Image of Shinobi in the Sengoku period ·················· Yuu HIRAYAMA

Ninja of Kumamoto Domain Hosokawa clan ······························· Tetsuya UEDA

The Birth of “Ninja Hattori Hanzo” – For works up to 1964 – ········· Risa TAMURA

Comparison of Okinaga and Breathing Based Mindfulness Training: A Preliminary Essay about Ninja Mindfulness ······································ Makoto NISHIMURA

Reports
Introduction of ‘Nintama Rantaro’······································ ···· Naoya INOUE

Trends in the ninja world in 2019 ······························· Takamasa FUKUSHIMA

List of the ninja works in 2019 ·············· Takamasa FUKUSHIMA, Syuri Nakatsu

Abstracts of lecture and presentations in the 3rd International Ninja Research Association Conference

Summary of the articles in this issue ·