国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(お知らせ)第2回国際忍者学会大会

2018年09月14日

9月8日から9日、佐賀県嬉野市において、第2回の国際忍者学会の大会が開催されました。講演・研究発表の次第は以下の通りです。

【基調講演】深川直也氏(佐賀戦国研究会)「佐賀藩における忍者」・【幕末の忍者】清川繁人氏(青森大学)「弘前藩-藩の命運忍びに託す-」・橋本博氏(合志マンガミュージアム)「忍者マンガにおける幕末期の位置付けと課題ー新感覚忍者マンガ「シノビノ」の実験的試み-」【自由発表】稲本紀佳氏(大阪大学大学院生)「忍者と黒装束の融合‐近世演劇を手掛かりに‐」・吉丸雄哉氏(三重大学)「海外テーブルトークロールプレイングゲームにみる忍者受容」

どの報告も興味深かったのですが、個人的な感想をすこし。深川氏のレジュメ中、「空閑(くが)三河守という武将が、忍者を雇い、戦場において「盗み乱妨」を許して「無扶持」で召し使っていた」という内容の史料が、特に目をひきました。忍者の生きざまを彷彿とさせます。また、報告者中で最も若い稲本氏による、黒装束忍者像の形成過程の研究は、これからの忍者学の概説に、おおきな影響を与えるほどの成果でしょう。これから、頭巾がどうなっているとか、忍者が手裏剣を投げるようになったのはいつかなど、さらに研究が進むことを期待したいと思います。

翌日は佐賀市内の忍者関連史跡の巡検でした。忍者研究者・忍者ファン同士、親睦を深めることができました。次回は長野県上田市です。いまから楽しみです。(高尾記)

学会の詳細な報告は下記リンクをご参照ください。

http://ninjack.jp/research02-1/

【レポ】忍者の真実に近づく可能性しか感じない「第2回国際忍者学会大会」(Ninjack)