国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(お知らせ)徳川幕府伊賀者松下家文書について

2018年10月01日

三重大学国際忍者研究センターの高尾善希です。センターでは、徳川幕府伊賀者の松下家文書を所蔵しております。神奈川県在住の松下家のご当主の方から、センターにお預かりをしております(「寄託」といいます)。

松下家文書については、拙著『忍者の末裔―江戸城に勤めた伊賀者たち―』(角川書店)で私が分析していますから、詳しくは、そちらをご参照ください。松下家は、徳川幕府伊賀者、および、幕府の下級武士一般の実態(勤務・生活など)を知るうえで、たいへん貴重な史料といえます。

ただし、拙著でそのすべてを分析できたわけではありません。……拙著で触れることができなかった、松下家の親戚、伊賀者遠藤家の家譜(「系譜之内遠藤家譜」)があります。その一部を、先日、私の報告において分析しました(三重大学伊賀連携フィールド「忍者・忍術学講座」[上半期]高尾「徳川幕府伊賀者の成立と展開」)。また、遠藤家の家譜なども、その報告の会場において展示しました。

今年から、私の科研費「徳川幕府御家人伊賀者の制度史研究―関係史資料収集とその総合的把握―」(文部科学省:科学研究費補助金基盤研究(C)研究期間: 2018年4月 – 2020年3月 代表者: 高尾善希)が採択されましたので、松下家文書をはじめとする伊賀者を、さらに詳しく分析をする予定です。(高尾記)