国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(学生通信)アメリカ議会図書館での資料調査(院生 嵩丸)

2020年06月08日

みなさまこんにちは!修士3年の嵩丸と申します。

昨年までは「田中(仮)」という者がブログを書いていたと思いますが、彼は大学院の情報を話しすぎて社会的に消されてしまったので、僕が彼の意志を継いで続けることになりました。田中(仮)くんの分まで頑張ります。

ちなみに今年度で3年生となりましたが、決して留年したわけではなく、遠方からの通学のためもともと3年間の長期履修ですのでそこのところ、よろしくお願いいたします!

昨年もいろいろと研究生活について書きたかったのですが、なかなか時間がとれず筆をとることができませんでした。当時の様子を振り返りながら、ダイジェストで印象的な授業やイベントなどを振り返っていこうと思います。

さて、昨年で最も印象的だったのは、山田先生の研究のお手伝いでアメリカ議会図書館(Library of Congress)まで文献調査に行ったことでした。

戦前に陸軍の図書館に保管されていた各種古典資料があるのですが、これらは戦後になんとGHQに持っていかれてしまっていて、今は日本では見られない資料のいくつかがアメリカ議会図書館に保管されています。この中にいくつか兵法書がありまして、その中の忍術の記述を探しに、はるばるワシントンD.C.まで調査にいきました。

僕は英語を話したり聞いたりするのは全くできないのですが、読み書きでしたらなんとかできなくもないので、調査資料の選定、リストの作成、事前の図書館側とのコンタクト、資料の写真撮影などを担当させていただきました。NHKから調査の様子を撮ってきてほしいということでカメラマンもやりまして、撮影した素材は「まるっと!みえ」などで使われました。山田先生を1.5倍ほどかっこよく撮れたのではないかと思っています。

図書館の方に事前に準備いただいていた40冊ほどの兵法書を持ってきていただき、先生と一緒に2日間かけて撮影していきました。史料の中には忍者の定義を書いているものや、忍者がマキビシを撒いている絵なども見つかり、貴重な史料に会えたのは感動以外の何物でもありませんでした。

図書館はそれこそ映画に出てきそうな幻想的で綺麗な場所で、ここで一度は勉強してみたくなること受け合いです。目当ての資料室までの行き方が複雑で、最初は先生と30分ほど迷ったのもいい思い出です(笑)。図書館にはとても便利なスキャナがあって、資料を開いてボタンを押すと自動でPDFにしてUSBに格納してくれるんですよ…!便利すぎる…!これは日本の図書館にもどんどん導入して欲しいですね。

いま山田先生のゼミでは、この時撮影した『軍敗要目集』を読んでいます。城の作り方など兵法における一般的な心得が12巻に渡って記載されており、最後には「用間」の章なんかも登場するのでとても楽しみです。

次回は空いた時間で行ってきた「スパイミュージアム」について書こうと思います。(院生 嵩丸記)