国際忍者研究センター

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(学生通信)映画レビュー⑳「ニンジャバットマン」<2018年、監督:水崎淳平>(院生 郷原匠)

2020年11月09日

 本日紹介する映画は、2018年に公開された「ニンジャバットマン」という日本のアニメ映画です。監督の水崎淳平氏は、「神風動画」というアニメーション制作会社の代表取締役を務めておられます。

 プライムビデオによる平均評価は、★5中、★3つ半と、なかなかの高評価でした。「最高の娯楽アニメ」「お祭り騒ぎで楽しめる」「最高に面白い」といった肯定的なレビューが残される中、「うーん」「シナリオがいまいち」「何がしたいのか分からない」といった否定的な感想もありました。

 ゴリラ・グロッド(子安武人)の手によって戦国時代の日本へとタイムスリップした、バットマン(山寺宏一)はじめ何人かのヴィラン達(悪党のことです)。タイムスリップしてからというもの、ヴィラン達は各地で自由に暴れ回り、一国の主となっていた者もいました。その中でも最大の勢力となりつつあったのが、尾張国を統治するジョーカー(高木渉)とハーレイ・クイン(釘宮理恵)の一味でした。そんなジョーカー達がタイムスリップの原因となった「時空震エンジン」を所有しているということを聞き、バットマンは飛騨国に住む忍者集団・コウモリ、ナイトウィング(小野大輔)、レッドロビン(河西健吾)、ロビン(梶裕貴)、キャットウーマン(加隈亜衣)達の協力の下、ジョーカーから時空震エンジンを取り返し、全てのヴィラン達を連れて21世紀へ戻ることを決意します。しかしゴリラ・グロッドはそんなことはお構いなしで、ある恐ろしい野望を秘めていたのです・・・。以上ストーリーの前半部分を紹介しました。バットマンを知らない方にとっては何が何だか分からないかもしれません。

 バットマンといえば、アメリカの漫画出版社「DCコミックス」が発行する「アメリカン・コミックス」における代表的なヒーローであり、漫画をはじめ、アニメ、小説、実写映画なども数多く作られています(実写映画としては、ティム・バートン監督による「バットマン」(1989年)やクリストファー・ノーラン監督による「ダークナイト」3部作などが有名)。バットマンの正体は、犯罪都市ゴッサムシティの億万長者であるブルース・ウェイン。彼は幼い頃、犯罪者によって両親を目の前で殺された辛い経験を持っており、大人になってからは、その復讐と街の治安維持のためにバットマンに変身します。スパイダーマンやアイアンマンのように特殊能力を持っておらず、不屈の意志、武術、脅迫、科学技術など様々な知恵を駆使して敵を倒します。バットマンと敵対するヴィラン達は、ジョーカーをはじめ、ハーレイ・クイン、トゥーフェイス、ポイズンアイビーなど様々であり、それらを描いた映画も数多く存在します。

 そんなバットマンと忍者のコラボレーションが本作品です。特に海外では絶賛だったらしく、「ほぼ満点の作品」「ものすごく興奮させられる作品だった」「バットマンファンであれば一度は観ておくべき作品」といった感想が飛び交ったといわれています。これは非常に喜ばしいことであり、世界に日本のアニメーション文化の素晴らしさを再認識してもらう良い機会になったと思っています。

 本作品にはバットマンシリーズのあらゆるキャラクターが勢揃いしており、まさに夢の共演といっても過言ではありません。バットマンを愛する海外の人々が興奮する気持ちがよく分かります。それに加えて、日本のクールコンテンツ「ニンジャ」要素が加わっているわけですから、絶大なる支持を集めることはもはや言うまでもありません。

 ストーリーも面白く、声優陣も一流の方々ばかりであるので、観て損することは絶対にありません。自信を持ってオススメできる作品であるので、機会があればぜひ一度鑑賞してみて下さい。

 以上で今回のレビューを終わります。次回は「NINJA THE MONSTER」(2015年、監督:落合賢)をレビューしたいと思います!(院生 郷原記)