国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(学生通信)忍者を記録することの重要性やいかに(院生田中(仮))

2019年02月07日

みなさん、こんにちは!修士1年の田中(仮)です。

年末、事件は突然起こりました。10年近く使っていた一眼レフのカメラが壊れてしまったのです。突然やってきたNikonD80とのお別れ。新卒で入った会社で初めてもらったボーナスで購入した、彼との思い出をしっかり供養しなければなりません。

これまで撮影した写真はすべてGoogleフォトにアップしているので、この10年間撮影してきた写真をなんとなく見返してみました。すると、写真総枚数の約80%が忍者関連の被写体ではないですか!数万枚以上ありそうで、僕はもしかしたらこの世で一番忍者の写真を撮影しているのかもしれません。(ただし上手いとは言ってません)

忍者を撮影するというのは、実はめちゃめちゃ難しいんです。忍者は大体暗いところにいます。しかも動きが速い。そのため、動きを捕えようとシャッタースピードを上げると暗くなってしまいますし、明るくしようとシャッタースピードを下げるとブレます。忍者をかっこよく撮るには、テクニックが重要となるのです。僕はまだまだ忍者を最強にカッコよく撮れるレベルまでには至っていないので、もっと精進していきたいですね。

織田信長の武勇を記した『信長公記』はあまりにも有名ですが、太田牛一さんという方が事細かに信長の記録を残し、やがてそれが400年以上の時を超えて、今の僕らに信長の行動や人となりを伝えてくれています。一方で、忍者は自分たちの痕跡を残すようなことはほとんどしませんでした。特に中世の忍者の史料がほとんどない忍者研究界隈ですが、誰でもいいので、もしも当時の忍者にぴったりくっついて、その働きをこっそり書き記し、密かに後世に残そうとした「忍者の太田牛一」みたいな人がいたらなぁ…と妄想するときがあります。

今現在から400年後、日本はどうなっているのでしょうか。もしかしたら世界の共通語が英語になっていて、今僕が授業で崩し字にヒィヒィ言っているのと同じように、将来の日本人も今の日本語を解読するのにすごく苦労するようなことがあるかもしれません。そして400年後に忍者のことを研究したい人が出てきたとして、日本語の解読や当時の写真なんかを研究対象にする日もくるのかもしれませんよね。そうやって考えてみると、今現在の忍者やNINJA、忍びの者を解明しようとする者達など、忍者に携わる人を少しでも多く記録して、太田牛一のように何らかの形で後世に伝えられるようにしていくことは、もしかしたら後世の人にとって貴重ものになるのではないかと思ったりしました。

ということで何が言いたいかというと、「将来の忍者研究者のためにこれからも忍者をたくさん撮り続けていくべきなんだ!」という妙な使命感のようなものを覚えまして、今度はCanonの一眼レフに買い換えました。これからは忍者さんたちはもちろん、各地の忍者関連史料なんかもどんどん撮影していきたいと思います。そして研究をしながら「忍者界の太田牛一」になれるように頑張ります!(院生田中(仮)記)