国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
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(学生通信)「僕が忍者忍術学コースの講義を受講して思ったこと」(院生N)

2019年02月15日

人文社会科学研究科修士1年のNです。もうすぐ秋学期も終わり、年度の変わり目に近づいてきました。そこで今回は、僕が受講した忍者関係の講義を通して、半期の間に思ったことを書きたいと思います。

まず忍者忍術学コースを受講して思ったことは、「みんな楽しそうだな」ということです。最近は大学、特に地方大学や文系学部を取り巻く状況は悪くなる一方です。つい最近にも、某国立大学が他の国立大と法人統合化するというニュースがありました(その如何はここでは問いませんが)。そんな中での忍者忍術学コース設立の話題は、自分にとって、地方大学の活気づけや特色・話題づくりといった気がしました。学部ではなく大学院に設置というのも意味深な気がします(もちろん良い意味で。念のため)。僕は自分が在籍している、またはしていた組織が無くなることが嫌なので、これで少しでも良い流れが出来たらいいな、と思っていましたし、今でもそう思っています。コースが設立されてから、様々な話題が学内外で語られるようになると、「なんだか楽しそう?」と思ってしまいました。そこで、自分の専門外だけどどんな様子か気になったので履修しました。そこで他の受講生の方の姿を見て思ったのが上記の感想です。

正直に申し上げると、自分の専門は忍者忍術学ではないので、忍者に対する興味が高まったかというとそうでもありません。ですが、専門が違う方と一緒に講義を受講するのは新鮮で刺激があり、そして何より皆さんが楽しそうに見えたことが一番印象的でした。そういうのって羨ましいなと思いながら、受講していました。高尾先生のお姿を一度も見なかったことが本当にちょっとだけ心残りですが(『本当にちょっとだけ』ってなんやねん、という声が聞こえてきそうですが)。

あと、これは忍者関係の講義を受講してというより修士課程に進学して思ったことですが、「大学の将来は決して明るいものではないな」ということがもう一つのそれです。修士課程に進学すると大学の内部事情が耳に入ってくるということが結構ありました。そこで語られることは、後ろ向きな内容が多かった気がします。こういった話題は一部の大学だけだと思っていたのですが、その波は全国に押し寄せているようです。講義を受講している限りではわからないのですが……。自分としては暗い話題ばかり取り上げるのではなく、「研究って楽しい!」とか「研究やろーぜ!」といった大学の前向きでカッコいい姿を見せることの方がよっぽどいいと思うのですが、そういうことでは済まないようです。

修士課程に進学してからの一年間は、大学の光の部分と闇の部分を感じながら講義を受講していた気がします。

僕は、とても、疲れました。修士課程に進学したことがどうのこうのというわけではありませんが、本当に疲れました。純粋に講義を楽しむというよりも、ちゃんとやらないと周りから変な評価が下されるから頑張らないと、という思いの方が強かったように思います。これは進学した春学期や秋学期だけではなく、学部の時もそうだった気がします。そしてその思いはこの先も続くでしょう。いろんなことがやってきて、いろんなことを考えるようになりました。就職活動をはじめとする進路や、自分の中で大事なことって何なのかだとか、自分の中の優先順位を考え直すとか。僕はそこまでタフではないので、もう少し体力や打たれ強い心が欲しかったなあ、と(大学教員の中には非常にタフな方がいます)。四月から環境が変わったりそうでもなかったりするでしょうが、どうなったとしても、ちゃんとやっていけたらいいな、と。