国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(大学院教育)三重大学大学院人文社会科学研究科「忍者文化史料論特講」(高尾善希)

2019年06月04日

国際忍者研究センターの高尾善希です。大学院の忍者学コースでは、2名が入学しました。講義がはじまって2か月がたちました。「忍者文化史料論特講」は、去年と異なり、忍者学専攻以外の学生も参加しています。
歴史上に実在した忍者を学ぶ場合、日本史学の基礎知識がなければいけません。古文書(くずし字)の読み方から、政治・社会の基礎的な構造に関する理解まで、しっかり勉強してもらいます。いまのところ、検地帳・名寄帳・年貢割付状・領知判物・質地証文・宗門人別帳・宗門送り手形までの講読をして、土地制度・人身支配に関する理解を深めました(去年と同じです)。それとともに、センターで発掘した伊賀者木津家文書の講読も、去年に引き続き、進めています。
読み方をしっかり覚えてきたかどうか、ときどき、黒板に翻刻文も書いてもらいます。実際にやってもらうと、勉強への緊張感が違いますね。それから、ときどき私の研究の裏話も…。研究の苦しみとともに、楽しさも伝えようと思っています。そんなこんなで、講義時間を長めにとっています。
歴史学を勉強してきた学生さんばかりではないので(むしろ、ほとんどが専門外の学科を出ています)、とりわけみっちり勉強してもらおうと思っています。予習はたいへんだと思いますけれど、皆さん、なんとかついてきてもらっています。今後、三重県における忍者に関する現地調査も行いたいと考えています。(高尾善希)