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(学生通信)映画レビュー⑮「はぐれ組VS忍者」<2012年、監督:舞原賢三>(院生 郷原匠)
2020年09月15日
本日紹介する映画は、2012年に公開された「はぐれ組VS忍者」という映画です。監督の舞原賢三氏は、過去に「トワイライトシンドローム~卒業~」(2000年)や「OH!ノーパンツ・ガールズ」(2005年)といった作品を撮られています。
この映画は上巻と下巻に分かれており、上巻では、昴という現代忍者がはぐれ組というヤクザの一員となる過程を描いており、下巻では、はぐれ組のメンバーであるカレンが、謎の忍者集団に誘拐され、はぐれ組総出で救出するといった内容となっています。
プライムビデオによる平均評価は、上巻・下巻共に★5中、★3つで、まあまあの評価でした。しかしレビューが1件と極端に少なく、この評価が実際に正しいのかどうかは分かりませんので、今後の動向に注目です。ちなみにレビューの内容としては、「無心で見ればとても楽しい」といった感想がありました。
現代に生きる忍者兄弟、昴(高木心平)と誉(高木万平)は、頭目争いのために日々争いを繰り広げていました。そんな折、誉の毒攻撃によって倒れた昴は、はぐれ組(正式名称は羽黒組)のメンバー達によって助けられます。はぐれ組の献身的な手当てによって一命を取り留めた昴でしたが、彼は今まで社会と完全にかけ離れた生活をしていたため、当初は彼らを毛嫌いしていました。しかしメンバー達と特訓を重ね、その家族愛に触れる中で、昴は次第に彼らに心を許すようになります。またメンバーの一員、カレン(浅野かや)に好意を抱くようになります。そうして完全に回復した昴は再び誉に勝負を挑みます・・・。以上が上巻の内容です。
正式にはぐれ組の一員となった昴は、仲間達と楽しく暮らしていました。そんな折、カレンが謎の忍者集団によって誘拐されてしまいます。町外れの廃墟に監禁されていることを知ったはぐれ組は、メンバー総出でその廃墟に向かっていくのですが、彼らの前には数々の忍者の刺客が立ちはだかります・・・。以上が下巻の内容です。
全体的に上巻は、コメディー要素を押し出したものになっており、下巻は、家族愛に満ちた少し切ない内容となっています。その差を楽しみながら鑑賞することによって、また違った発見ができるかもしれません。
昴は現代に生きる忍者として、当初は社会と完全にかけ離れた存在にありました。すき焼きやお粥といった人間の食べ物を食べて感動し、携帯電話を怪訝な目で見るなど、明らかに普通の人間とは異なった存在として描かれています。そんな昴を人間にしたのは、紛れもなくはぐれ組のメンバー達です。彼らは一応ヤクザなのですが、全く怖さはなく、家族愛に満ちた非常に親しみやすい存在として描かれています。
「アウトレイジ」(2010年、監督:北野武)や「仁義なき戦い」(1973年、監督:深作欣二)などのような本格的なヤクザ映画とは全く異なりますので、家族でも十分に楽しめることができます。忍者×ヤクザという絶妙なコラボレーションを多くの方に楽しんで頂きたいです。
以上で今回のレビューを終わります。次回は「手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャーTHE MOVIE 忍者・イン・ワンダーランド」(2016年、監督:中澤祥次郎)をレビューしたいと思います!(院生 郷原記)