国際忍者研究センター

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(学生通信)映画レビュー⑱「シャドウ・アサシン」<2014年、監督:ロブ・バールド>(院生 郷原匠)

2020年10月26日

 本日紹介する映画は、2014年に公開された「シャドウ・アサシン」というオーストラリア映画です。監督のロブ・バールド氏は、今回の作品の主演も兼ねており、「ラ・ラ・ランド」(2016年)や「きみに読む物語」(2004年)で有名な、ライアン・ゴズリングに容姿が少し似ています。過去の作品を検索しても何も挙がってこなかったので、もしかしたらこれが初の監督作品かもしれません。

 プライムビデオによる平均評価は、★5中、★1つで、これまで見てきた中で最低の評価でした。レビューも2件と非常に少なく、「なかなか見所のない怪作」といった酷評がなかなか印象的でした。肯定的なレビューは残念ながら存在しませんでした。

 10年前、ハンガリー人によって盗まれた爆弾装置GT440を開発したグローバル・テック社は、多数の犠牲者が出た学校の爆破事件に関与しているとされ、事態の収束を図っていました。その不正を暴くため、忍術を習得したエージェント(ロブ・バールド)が彼らに立ち向かうのですが・・・。以上短いですが、ストーリーのあらすじです。実を言うと、今回の作品は何回観ても最初から最後まで何が何だか理解できず、正直なところレビューをする余裕がないのが現状です。

 映画では、現在と10年前の場面が入れ替わりながら登場するのですが、物語の中盤あたりからその時間軸がごちゃごちゃになっており、一体いつの話をしているのか特定できないのです。唯一分かったことは、現在の場面が、主人公がグローバル・テック社に捕まり拷問を受けていること、10年前の場面が、忍術師匠であるジョン・カーペンター(ロジャー・二―ブ)と出会い修行に励んだということです。それ以外のことは全く分かりません。

 主人公は10年前、師匠のジョン・カーペンターなる人物(この人も一体何者なのか不明)と忍術修行をしたらしいのですが、ほとんどがジョンによる、武士道精神の講義の様子を写しただけであり、これといった修行の様子を描いているわけではありません。

 映画の最後に、唐突に敵と戦うシーンがあるのですが、皆さんが想像するような、手裏剣や剣を使用したカッコいいアクションではなく、緩やかな合気道のようなものが描かれているだけでした。何ともいえない気持ちになりました。「シャドウ・アサシン」という題だけあって、闇の中で敵を瞬時に暗殺するカッコいい忍者とばかり思っていただけに、そのギャップにはかなりがっかりしました。

 他にも、誰が味方で誰が敵なのかハッキリしないこと、主人公への拷問が学芸会レベルのお仕置きであること、そもそも主人公の名前が分からないこと(笑)など、数多くの難題が残りました。映画の最後に「これを我が師・クリストファー・リーヴに捧ぐ」「NINJAは次回に帰ってくる」と述べられており、ロブ・バールド監督がスーパーマンを敬愛していること、次回作を作ろうという意欲があることだけは分かりました。

 唯一の評価ポイントは、画質が綺麗なことです。洋画だけあって、邦画とは比べ物にならないほど見やすかったです。

 今回の作品は、忍者×哲学のコラボレーションだと思って頂ければよいと思います。お酒を片手に、怖いモノ見たさで一度挑戦してみるのも良いかもしれません。

 以上で今回のレビューを終わります。次回は「秘忍伝 The Ninja Killer」(2009年、監督:雑賀俊郎)をレビューしたいと思います!(院生 郷原記)