国際忍者研究センター

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(学生通信)映画レビュー⑲「秘忍伝 The Ninja Killer」<2009年、監督:雑賀俊郎>(院生 郷原匠)

2020年11月02日

 本日紹介する映画は、2009年に公開された「秘忍伝 The Ninja Killer」という映画です。監督の雑賀俊郎氏は、「リトル・マエストラ」(2012年)や「チェスト!」(2008年)といった作品で知られています。作品を見る限り、今回が初めての忍者作品のようです。

 プライムビデオによる平均評価は、★5中、★2つで、低めの評価でした。レビュー自体も1件と極端に少なく、「今一つ何か足りない」といった感想でした。今後、肯定的なレビューが増えることを期待します。

 天性の剣才の持ち主である小百合(小向美奈子)は、青柳紫苑(麻乃なつ希)という尼にその才能を見出されて、桜花(桜井真由美)、朱菊(立花彩野)と共に、くノ一三人組(女性版必殺仕事人?)を結成します。その大きな目的は、倒幕を企てる闇組織の党首・黒富士半兵衛(小木茂光)を殺すことであり、彼女達は黒富士の領内に徐々に足を踏み入れていきます。3人の前に次々と現れる黒富士の刺客達。事態は猛烈な大激突戦へと突入していきます。その最中、小百合は以前に剣勝負で敗北した神代健吉(市瀬秀和)と出会います。実は彼と小百合の間にはある共通点があったのです・・・。以上ストーリーの前半を紹介しました。前回、「忍術伝 Ninja Star」(2009年、監督:中田信一郎)をレビューしましたが、今回の作品はそれとよく感じが似ており、特に画質の粗さやどこか物足りない脚本設定は非常に類似しておりました。

 アクションシーンは全体的にとても地味でありましたが、一部非常にグロいシーンがあります。手を切り落としたり、頭から脳みそが噴き出したり、胴体が真っ二つになる等、グロ耐性のない方にとっては気分を害すようなシーンがいくつかありました。画質が粗い分、R13指定で事足りるのでしょうが、高画質であるならば、R15以上指定になってもおかしくありません。閲覧の際には少しご注意下さい。

 一応、主人公はくノ一三人組という設定でしょうが、手裏剣や苦無といった忍者特有の武器を使って派手なアクションをすることなく、おまけにエロ要素もゼロであったため、これを一概にくノ一と呼んで良いのかについては疑問に残りました。そもそもくノ一の定義が定まっていないため何とも言い難いのですが、私自身としては、今回はくノ一というよりも、女性版必殺仕事人だと思っています。

 おそらくかなりの低予算で作られたものと思われ、レビューにもあった通り、とにかく全体的にどこか物足りないような感じがしてなりません。もう少しCG等を効果的に使って、派手なアクションを取り入れるなどして、改善を図るべきだろうと思います。

 以上で今回のレビューを終わります。次回は「ニンジャバットマン」(2018年、監督:水崎淳平)をレビューしたいと思います!(院生 郷原記)