国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(学生通信)全日本忍者選手権大会初参戦!⑤(院生 仙空)

2020年11月17日

 こんにちは、仙空です!
 甲賀の里忍術村第37回全日本忍者選手権大会の参加レポ、いよいよ最後の競技です。

 最後の競技は水蜘蛛!
 両足それぞれを水蜘蛛の真ん中に入れて、竹の棒を手で握って水の上を渡り、タイムを競います。これをやってみたかったのですよ私は。

 待機中、自分より前の参加者の様子を見れたのですが、かなり難しそうでした。どんどん池に落ちていきます。竹は前にあるのに足が後ろのほうにいって顔面からばしゃーんと落ちる方や、両足が左右に開いていって落ちる人、バランスをとる途中で後ろに倒れて落ちてしまう人…色々なパターンで水没していきます。
 この池の水、汚いのです。泥はヘドロのように臭いですし、顔、頭が浸かることは避けたい…池の水が口や鼻に入るなんて絶対に嫌だ…と思いました。

 まあ私は落ちることは覚悟していたので笑、前もって着替えを準備して、近くの温泉も調べていました。なんとなんと、忍術村にはシャワーがないのです!普段は水蜘蛛をする時に竹は使わず、池に紐がかかっているので、紐を脇に挟んだり、掴んだりして池を渡ります。竹と紐、どちらを使う方が難しいかは分かりませんが、紐を使っても水没する方、かなり多いです。なので、忍者選手権大会に参加する予定の方、忍者選手権大会以外の日に水蜘蛛にチャレンジする予定の方は、全身濡れる覚悟で着替えや、レジャーシート等を用意しておくと良いと思います。あと、冬の水蜘蛛チャレンジはやめた方が良いです。ちなみに、忍術村から車で10分くらいの所に温泉があり、水没忍者救済の場となっております。

 さて、参加者を見ていると、前向きで進む人、後ろ向きで進む人、横向きで進む人がいました。はじめは前向きで進もうと思いました。だって、後ろ向きって進行方向が見えなくて怖くないですか?けど、後ろ向きで進む人の方がうまく進めているような気がしたんですよね。先にレースを終えた方何人かに、前向きと後ろ向きどっちが良いか聞きましたが、前向きが安定していて良いとおっしゃる方や、後ろ向きかなぁ…とおっしゃる方もいて、よく分からない。どっちだどっちだどっちが良いんだ?!と焦って考えている時に思い出しました、忍術道場での教えを。

 いつも進みたい方向に重心を移していました。そしたら少し膝を抜くだけで、早く移動できます。ということは水蜘蛛でも、進行方向に重心を置くべきかも?前向きだと、前に進みたいのに重心は後ろにあり、腕の力だけで前に進まなければなりません。竹を泥に刺して、その竹をぎゅーっと握って腕の力で体を竹を刺した所まで引き寄せる必要があります。これはだいぶ力がいりますし、竹に力を込めるので、竹が泥に深く刺さってしまい、その後引き抜けずにバランスを崩して落ちる方もいます。けれど後ろ向きならば、進みたい方向に重心があるので、竹を泥に刺して、自分の体を押せば良いのです。重心と進みたい方向が同じ側にあるので、少しの力でも進むはずです。
腕の力が弱い私には自分を竹まで引き寄せるのはきっと大変。進行方向が見えないのはちょっと怖いけど私は後ろ向きでチャレンジだ!と決めました。

 いよいよ私の番です。
 水蜘蛛に足を乗せると、足が自然と左右に広がっていきます。内ももに力を入れて、両足が離れないようにしてスタートを待ちますが、それだけでもかなり大変。水蜘蛛同士をぴったりくっつけても、水蜘蛛は直径が大きいので、足は既にだいぶ開いています。先が思いやられつつもスタート。竹を使って体を押します。するとちゃんと進みました。よし、いけそう!と続けます。けれど斜め方向に進んでしまい、池の淵にぶつかってしまいました。

 まずい、淵から離れなければ、と竹を押して、方向を変えようとします。方向は変えられたのですが、淵の下の泥は池の真ん中よりも厚く積もっていたのか、竹がずぶずぶと泥に沈んでいきます。これはヤバい。
 案の定、抜けなくなりました。体は後ろに進んでいくのに、自分の前にある竹が抜けず、バランスをとれずに片手を竹から離して、水蜘蛛についてしまいます。足も開脚状態。けどそこから足の力をいっぱい使って、両足を引き寄せ、片手でなんとか竹をひきぬきます。危なかった…。かろうじて水に落ちませんでした。

 そこから右足が後ろ側、左足が前側と前後にだいぶ開いたまま進みました。ゴールまであとどれくらいか、自分がまっすぐ進めているか分からないまま必死に進みます。そしたら右足が何かにぶつかる感触が。
 振り向くとゴールでした。
 やったよー!!(´;ω;`)ウッ…
 落ちずにゴールまでたどりつけました(;O;)
 すっごく嬉しかったですね。ジーン

 やっと、忍者選手権大会に参加した人のレポっぽくなりました笑
 長く続いた忍者選手権参加レポも次回で最終回!
 それではまた!(院生 仙空記)