国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

ブログ

 

(学生通信)天時・地利・人和②(院生 リトクヨウ)

2021年05月28日

 天、地、人について、この三者の関係は古くからも議論が続いている。この三者はいったいどれが一番重要だか話題になった。中国戦国時代末の思想家である荀子は農業の生産から天時、地利、人和について論じたが、どれが重要だか区別しなく、三者は同じく重要で、一つにも欠かないと説かれている。
 原文は以下になった。
農夫朴力而寡能,則上不失天時,下不失地利,中得人和而百事不廃。
―「荀子・王霸篇」
 意味としては、農民に素朴で農業に集中させ、生活のために色々な所に通っているのに避けていれば、農業の時宜に外れなく、肥沃な土も失われなく、全ての人々がやるべきことをきちんとやり、すべての事も中断になれない。
 孟子は主に軍事の方面から天時、地利、人和の関係を論じている、なお、その観点も鮮明である。すなわち:天時は地利に如かず、地利は人和に如かず。この三者では、人和は一番重要で、次は地利、最後は天時である。これも孟子が人の能動性を重視するという主張思想と関わっている。また、人和の重要性から、更に「道を得た者は援助も多く、道を失ったものは援助も少ない」という結論が出た。みんなさんのご存知のように、孟子は常に「仁政」を主張しているが、「人和」を重視するのが理由にもなるでしょう。(院生 リトクヨウ記)