国際忍者研究センター

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(学生通信)映画レビュー㉚「Lady Ninja~青い影~」<2018年、監督:藤原健一>(院生 郷原匠)

2021年02月19日

 本日紹介する映画は、2018年に公開された「Lady Ninja~青い影~」です。監督の藤原健一さんは、過去に「新大久保物語」(2013年)や「艶剣客~くの一 媚薬責め~」(2010年)といった作品を撮られているそうです。

 プライムビデオによる平均評価は特につけられていませんでした。レビューも1件もなく、まだ多くの方に知られていない印象を受けました。今後に注目したいと思います。

 経済破綻し、スラム化した近未来の日本。政府によって極秘に作られた特務機関「極楽」に所属する亜夜(葉加瀬マイ)は千夏(赤井沙希)らと共に、「Lady Ninja」として街の治安を守っていました。そんな中、巨大多国籍企業である黒田財閥が、日本を支配しようとたくらんでいることが発覚し、それを阻止すべく亜夜達は調査を進めていました。そんなある日、小夏の前に「夜叉」という、筋肉増強剤を投与して超人的な力を身に付けた最強の刺客が現れ、死闘の末、小夏がやられてしまいます。亜夜は小夏の雪辱を果たすために夜叉に立ち向かっていくのですが、それと並行してある問題が発生してしまいます・・・。以上ストーリーの冒頭部分を紹介しました。主演の葉加瀬マイさんは、タレントや女優として、本作品以外にも様々な作品に出演されています。

 今回のストーリーは、近未来の日本の設定で、経済破綻して治安がすこぶる悪くなった日本において忍者達が大活躍するというストーリーです。戦国時代もそうですが、既存の社会システムが崩壊し、新たな世の夜明けとなる時代において、忍者の諜報技術や戦闘能力というものは、非常に重宝されるのかもしれません。今後の日本がどのような道に進んでいくか分かりませんが、時代の状況によっては、もしかしたら忍者が復活するということが起きうるかもしれません。

 ちなみに本作品には一部エロシーンがあります。前回レビューさせていただいた、「くノ一関ケ原」(2010年、監督:かわさきひろゆき)や「武田くノ一忍法伝 千代女」(2015年、監督:かわさきひろゆき)ほど過激なものではありませんが、一応R15指定になっているため、鑑賞の際には少し注意した方が良いかもしれません。どうしてもくノ一作品はエロと結びつく傾向にあるため、卑猥なシーンは日常茶飯事でありますが、エロばかりを重視して、肝心の脚本やアクションシーンを疎かにするのは避けてもらいたいものです。

 ただ今回の映画については、脚本がしっかりしていた分、エロとのバランスは上手く取れていたように感じます。その点については高評価ポイントでしょう。一方で改善点としては、アクションシーンがとても地味だったことです。せっかくの見せ場のシーンが全く盛り上がっていませんでした。この点については今後の課題であるように感じます。一応、映画の最後に、続編が製作される雰囲気が出ていたため、もしかしたら何年後か先に新たな作品が出てくるかもしれません。今後に期待したいと思います。

 以上で今回のレビューを終わります。次回は「RED SHADOW 赤影」(2001年、監督:中野裕之)をレビューしたいと思います!(院生 郷原記)