国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
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(学生通信)細作について(院生 リトクヨウ)

2021年05月14日

 みんなさん、こんにちは。「細作」という言葉はご存知でしょうか?どういう意味だとお考えでしょうか。今回では、この「細作」ついて、書きたいと思いますが、よろしくお願いします。
 実は、忍者のことを勉強する前に、「細作」という言葉はあまり知らなかったです。また、忍者の「呼称」に触れても、あまり「細作」という言葉が出ていないようです。中国唐の時代の陸徳明が歴史書である「左伝・宣公八年」に書いてある『晋人獲秦諜』を解釈するところに「諜、徒協反,間也,今謂之細作」と書きましたが。意味としては「諜は間者であり、今には『細作』と呼ぶ」であります。ゆえに「細作」は「間者」と同じく役目だったそうです。日本国語大辞典を引いてみると「細作」とは「忍んで敵の様子をさぐる者。忍びの者。間者。」と書いてあります。例文ですが、「浄瑠璃・平仮名盛衰記〔1739〕五「梶原が物見のさいさく、敵陳(てきぢん)よりかけ戻り」。両方の意味としてはほぼ同じですので、具体的な時間がわからないですが、「細作」が意味も変わらずに日本に伝わったと推測できます。しかし、なぜ忍者の呼称には「細作」という呼称が使う頻度が少ないでしょう、この状況も中国とおなじですが、理由はなんでしょう。みんなさんはどうお考えでしょうか。(院生 リトクヨウ記)