国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
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(学生通信)忍たまファン第二の聖地になるかも?「ふくやま草戸千軒ミュージアム」⑨(院生 仙空)

2021年07月08日

 こんにちは、仙空です。
 前回のブログではふくやま草戸千軒ミュージアムに展示されている五輪塔、忍たまの作中に出てくる逆さまの五輪塔やお地蔵様等をご紹介しました。

 戦国武将たちは逆さまのものに不思議な力を感じていたようです。
 太陽と月が描かれた軍扇は通常、日中は太陽の面を表にし、夜は月の面を表にして使います。
 けれど悪日に合戦しなければならないときや出発が悪日にあたるとき等には昼は月の面を表にし、夜は太陽の面を表にして使います。
 昼夜を逆転させることで悪日を吉日に変えようとしたようです。
 同じような発想で、墓石・五輪塔等の典型的な死の象徴をひっくり返したり、足元に踏みつけることで、城をまるごと不死の城に変えようとしたようです。
 ちなみに、大和郡山城では逆さ地蔵が埋め込まれた石垣、福知山城・二条城では五輪塔や宝篋印塔の石材が残る石垣を見る事ができるようなので、ご興味ある方は見てみてください^^

 さて、前回書ききれなかった落第忍者乱太郎54巻の続きをご紹介しますね。
 浜守一郎の「いや、不吉な事というより『逆さま』には不可思議な霊威というか恐るべき呪力があるのだ」という発言を受けて、こんなコマが描かれています。

 そういえば作法委員会で首実検の作法の勉強会をした時、生首フィギュアに『逆さ札』をつけたよ。
(発言者:作法委員一年は組笹山兵太夫)
 首実検とは、いくさの時討ち取った敵の首がその名の人かどうかを大将自ら検査することです。その敵の首につけておく札が『首札』ですが逆さにつけるため『逆さ札』と呼ばれています。
(発言者:作法委員会委員長六年い組立花仙蔵)

 この解説には「立花仙蔵討取之潮江文次郎乃首」(縦5寸横2寸。寸法は大将用のもの。身分が低くなるにつれ小さくなります)と書かれた逆さ札が描かれています。
 それに対して…

 ちょっと待て仙蔵 この逆さ札、なんでお前がおれを討ち取った事になってるんだ!?
(発言者:六年い組潮江文次郎)
 よく見ろ文次郎、その文字の書体楷書で書いてあるだろう?大将クラスは楷書で書くんだ。士卒クラスは行書、雑兵は草書で書く。
(発言者:作法委員会委員長六年い組立花仙蔵)
 た、大将クラス?(照)
(発言者:六年い組潮江文次郎)
 以上、解説は忍術学園作法委員会委員長、立花仙蔵でしたー(涼しげに)
(発言者:作法委員会委員長六年い組立花仙蔵)

 ふふふ、私が大好きな大好きな仙様(立花仙蔵)の登場シーンです。
 首実検の首札の法式を仙様が解説してくれています。
 首実検は死者の体を扱うので、その作法にはかなり呪術的要素が盛り込まれているように思います。
 例えば、首は正面から見てはならず、大将は左目で首の右半面を一瞥します。
 これには死霊に敵対されないように、とか首は死路に入っているから死路の面である右半面をさらさせ、大将は生路にいるから生路の面である左側の目を使う等の理由が考えられるようです。

 ところで、作法委員会の首実検の作法の勉強会ってどんなことをしているか気になりませんか?
 私はとても気になります笑。
 忍たまは子ども向けの作品なので、具体的な首実検の内容は描かれていないんですよね。
 上述した逆さ札のくだりは原作漫画のものですが、アニメ版では省略されちゃってますし。
 首実検について書かれている資料を少しずつ集めているので、そのうち首実検再現動画なんて撮ってみたいな~と思っています。
 山田先生は元々怨霊の研究をされていらっしゃったので、ご協力頂いたら祟り対策もしながら首実検の再現できそうじゃないですか?ヾ(*’v`*)ノ
 首実検の他にも甲冑の着方の練習とか論功行賞とか作法委員会の活動の再現をできたらとっても楽しそう…!

 仙様が出てくると色々妄想が止まらなくなるのでこの辺りで終わります( ̄∀ ̄)
 ドロン!(院生 仙空記)