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(学生通信)映画レビュー㊺「G.I.ジョー」<2009年、監督:スティーヴン・ソマーズ>(院生 郷原匠)
2021年08月09日
本日紹介する映画は、2009年に公開された「G.I.ジョー」というアメリカ映画です。監督のスティーヴン・ソマーズ氏は、「ハムナプトラ」シリーズや、「ヴァン・ヘルシング」(2004年)といった作品で有名です。
プライムビデオでの平均評価は、★5中、★3つ半とまあまあの評価でした。「スケールが大きい派手なアクション」「CGと実写の区別ができない」「面白い!!!」といった高評価のレビューがちらほらと見受けられましたが、「完全に駄作」「感情移入できない」「なんでもあり」といった酷評も一部存在しています。ちなみに本作品は、第30回ゴールデンラズベリー賞(アカデミー賞前夜に行われる最低作品を決める祭典)において、最低作品賞をはじめ6部門にノミネートされています。
MARZ社のCEOであるマッカラン(クリストファー・エクルストン)は、金属物質を全て破壊する「ナノマイト」という恐ろしい兵器を開発しました。その輸送には、デューク(チャニング・テイタム)とリップコード(マーロン・ウェイアンズ)率いる特殊部隊が担当することになり、当初は順調に護送していたのですが、途中で謎の敵の襲撃にあいます。なんとその一員には、デュークの元婚約者だったアナ(シエナ・ミラー)がいたのです。混乱するデュークでしたが、秘密組織「G.I.ジョー」のメンバー達によって助けられ、難を逃れます。彼らによると、マッカラン率いる悪の組織「コブラ」が、ナノマイトを使って世界征服を企んでおり、自分達はそれを阻止すべく結成されたということでした。デュークとリップコードもG.Iジョーの一員として、コブラ達と闘うことを決意します。ちょうどその頃、アナとストームシャドー(イ・ビョンホン)率いるコブラ軍団が、G.I.ジョーの秘密基地を襲撃しようとしていました・・・。以上ストーリーの前半をご紹介しました。
「ナノマイト」を巡る攻防争いを描いた作品であり、内容的にはB級映画のようですが、高品質のCG技術と迫力あるアクションを存分に堪能することができる素晴らしい映画です。特にフランスのパリでG.Iジョーとコブラ軍団がカーチェイスをするシーンは、とても緊迫感があってワクワクしました。正直脚本は微妙なのですが、CGとアクションでそれを上手くカバーしています。
今回登場する忍者は、G.Iジョーのメンバーであるスネークアイズ、マッカランの側近であるストームシャドーの2人です。スネークアイズが、アイアンマンのような頑丈な黒パワードスーツを身に付けているのに対して、ストームシャドーは、柔らかそうな白い忍者衣装に身を包んでいます。この極端な対比には笑ってしまいました。戦闘スタイルに関しては、どちらも体術や日本刀、手裏剣を用いており大差はありません。お互いに戦闘能力は高く、物語の終盤まで凄まじいアクションを繰り広げます。
一つだけ不満があるとすれば、スネークアイズとストームシャドーの生い立ちの部分です。2人は、古代から続く忍者集団「嵐影」の東京道場で、共に忍術を学んだ身であるという設定なのですが、映画を見ると、道場は中国風の建物であり、師匠の容貌も中国人なのです。おそらく日本と中国をごちゃごちゃにしていると思われ、日本人からしてみると、とても違和感があります。
なんと今後スネークアイズを取り上げたスピンオフ作品が作られるそうで、私自身、ぜひ見てみたいと思っています。舞台も日本を中心に描かれるそうなので、国内でも反響があるかもしれません。完成を待ちたいと思います。
とにかくこの映画は、CGを使った高品質のアクションを楽しみたいという方には超オススメです。ご興味のある方はぜひご覧ください。
以上で今回のレビューを終わります。次回は「BLACKFOX」(2019年、監督:篠原啓輔、野村和也)をレビューしたいと思います! (院生 郷原記)