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(エッセイ)忍者への道(吉丸雄哉)
2021年11月11日
三重大学人文社会科学大学院の忍者学コース「忍者学実践演習」は始まって4年目になるが、私が授業を担当している金曜日に開講されているので、一度も見学したことがなかった。今年度は幸い月曜日に開講され、この日は会議があるのだが、オンラインで参加できるので、10月22日にようやく川上仁一先生による授業を見ることができた。
毎年何かの新聞で報道されており、今年は朝日新聞、中日新聞で記事になったので読んだ人もいるだろう。午前は道場での稽古、午後は山での稽古である。
現在は「忍道 -NINDO-」( http://nin-do.jp/ )という忍術を学べる道場があり、「忍者学実践演習」と同じことを学習できる。3級から始まる「忍道 -NINDO-」では、山に行って修行するのは初段からで、それまでは道場での修行が中心になる。「導引」という現代でいうストレッチのようなものから始まる。古武術はいつ襲われてもいいように準備体操はしないもので、この「導引」もそういった意味での準備体操ではない。日頃、体の柔軟性を養っておくことで、結果として準備体操抜きで十分な身体能力を発揮する状態に我が身をおくのが目的のように感じた。
忍者はしゃがんだりする動作が多いので、下半身の柔軟性が大切だが、現代人は畳や和式トイレからも遠くなってきたので、その柔軟性が失われているのである。かくいう私も柔軟性は全然だめで、「導引」の指導をみながら少し下半身を動かしてみたが、ガチガチに固くて話にならない。
道場で師範に教えてもらえることはもちろんあるが、柔軟性は教えてもらったからといって、すぐに改善されはしない。そういう意味では忍者への道は、まず身体が十分な柔軟性を持つように日頃からストレッチに努めることから始まるようで、それは長い長い道のりである。
二回目の忍者学実践演習は11月22日(月)。やはり会議があるもののオンラインで実施されるので、授業の大半を見ることができると思う。続報をお待ちください。(吉丸記)