国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(エッセイ)続・忍者への道(吉丸雄哉)

2021年12月02日

 当ブログの2021年11月11日に、10月22日に開催された川上仁一先生の「忍者学実践演習」のことを書いた。「忍者学実践演習」の二回目は11月22日にあり、この日も思ったよりも長くオンライン会議があったのだが、それ以外の10:30~12:00までと15:30~16:00までの授業を見学できた。
 当日は雨天のため、屋内で開講された。仮に止んでいたとしても少し前に雨が降っていたなら前回のように山で実施するのは難しかっただろう。
 前回参加した大学院生の男性3人(鄒・郷原・李)と女性1人(仙空)に加えて、大学院生の河村昌樹さんと伊賀忍者特殊軍団阿修羅から香鈴さんが参加した。
 午前中は導引(柔軟のようなもの)や身を低くして潜入する動きの実践だった。男性の学生が体がかたくてうまくいかないのに対して、女性の仙空さん香鈴さんが体が柔らかくて上手にこなしていたのを見ると、忍者には柔軟性が必要だと思う。刀を差したまま前転したり、潜ったりという動きも難しく、私なら音を上げて刀は外して手に持って行動させて欲しいと頼んだかもしれない。
 オンライン会議のため、本日の目玉であった火薬をつかった実験が見られなかったのは残念。15時に道場に戻ってくると、前回の山林で行っていたように縄をつかった実技が行われていた。センターブログ「キャンプ流忍術修行」を書いている河村さんがロープは得意中の得意で、見事なロープ捌きだった。午前中の身体操作は苦手だった河村さんだが、縄結びになるとその実力を発揮していた。
 川上先生が教えていた結び方は、今の我々が蝶蝶結びを誰もができるように、昔の人なら当たり前のようにできたものらしく、その意味では縄を結ぶ技能は忍者に限らないとはいえ、忍者になるため必須のものだろう。
 先月から柔軟運動を毎日しているのだが、まったく体が柔らかくならない。そういう意味で忍者は遠い。それでもロープの結び方の本を買って独学するつもりである。忍者の修行でもたいへんだったり痛かったりするものがあるが、ロープの結び方なら問題ない。これで少しでも忍者に近づけることを願っている。(吉丸記)