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(エッセイ)『どうする家康』服部半蔵の配役と設定(吉丸雄哉)
2022年04月22日
2023年大河ドラマ『どうする家康』の家臣団が発表された。一番興味があるのはやはり山田孝之が演じる服部半蔵である。
https://twitter.com/nhk_ieyasu/status/1514791376835153934
忍者ではないが、忍者の代表
服部半蔵/正成:#山田孝之
先祖が忍びの郷・伊賀出身なので、忍者とよく間違えられる。本人は武士と思っている。自分にプライドが持てず人づきあいが苦手。命ぜられて伊賀忍者を使い、諜報活動をするが時々失敗する。
ここでは、忍者ではないという設定が重要だろう。「時々失敗する」のでコミカルな役もできる山田孝之が配されたのではないだろうか。
忍者ではない服部半蔵がどうして忍者として描かれるようになったかは
田村梨紗「忍者服部半蔵の誕生」( https://www.jstage.jst.go.jp/article/ninja/2020/3/2020_25/_article/-char/ja )
に詳しいが、有名な山岡荘八の『徳川家康』では、服部半蔵は忍びではなく、神君伊賀越にも登場せず、家康の子である信康の介錯が見せ場になっている。
その後、多様な描き方をされるようになり、今のような忍者としての服部半蔵という設定も当たり前になったのだが、それは前期論文を読んで欲しい。
最近の大河ドラマは史実との比較が事細かに行われるので、忍者と関係の深い作られた服部半蔵像ではなく、史実どおりの武士としたのだろう。
個人的には、先にも述べた信康の介錯と神君伊賀越に登場するかどうかに興味がある。どうやら事情をご存じらしい山田雄司先生からは、『どうする家康』での忍者の登場はあると聞いている。
江戸時代では家康は武士の鑑であり、結果として「神君が忍びを使って勝つなんて卑怯なことはない」という見方が広まったが、実際には小牧長久手の戦いも関ヶ原の合戦も情報戦の勝利のはずで、忍びをたいへん駆使していたはずである。『どうする家康』では、そういうリアルな忍びの活躍が描かれるかもしれない。(吉丸記)