国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

ブログ

 

(学生通信)キャンプ流忍術修行⑰巣の補修に励むコシアカツバメ(院生 河村昌樹)

2022年06月03日

 5月~6月にかけて、私の職場では、雨の後にできた水たまりにコシアカツバメたちが集まってきます。コシアカツバメが地面に降りるのは珍しいので・・・ 何をしているのかなぁと様子を見ていると、地面を掘っては飛んで行きます。これを何度も何度も繰り返しています。最初はミミズを探すために掘っているのかと思っていましたが・・・ よく見ていると雨で柔らかくなった土をくちばしにくわえて運び、地面が乾いてしまうと土運びは終了です。 
 リーダーがいるわけではないと思うのですが・・・ 始めるタイミングと終わりの
 タイミングはいつもみんなそろって行動しています。
 ツバメの生態について詳しくありませんが・・・  ひょっとすると渡りをするタイミングは同じだし、ヒナを襲うカラスを遠ざけるために親鳥が協力して体当たりをする事もあるので、私が知らないだけでツバメの中にもリーダーがいて、色んな事を決めているかも知れません。

(水たまりに集まるコシアカツバメ)  

(雨で柔らかくなった地面を掘る)

次の写真をよく見るとくちばしに土をくわえて運んでいます。


(腰が赤色のコシアカツバメ)        


(出入り口付きの巣)

 忍術の一つに穴を掘って逃げる「土遁の術」がありますが、「コシアカツバメの術」はカラスからヒナを守るための術です。巣の中(ヒナの成長)が見えないように作り、雨上がりには巣のメインテナンスを怠りません。
 そのためか?雛の成長が丸見えのツバメの巣よりもカラスに襲われる率は低いようです。
 自然に逆らわず、臨機応変に対応するコシアカツバメはすごいと思います。
 私もコシアカツバメのように日々精進しないといけません。
 またひとつ自然の生き物から教えられました。(院生 河村記)