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(エッセイ)福井調査旅行(吉丸雄哉)
2022年10月19日
福井県文書館で2022年8月26日から10月26日まで開催されている「“異能”の軍学者・井原番右衛門 -忍者・計略・まじない-」に行ってきました。
井原番右衛門は津の出身でのちに福井藩に仕えた軍学者です。福井藩では関東から人を集めて忍びの者の組織をしています。江戸時代の忍者史料は、部隊のリーダーとその配下には詳しいのですが、300石をとった井原番右衛門のようないわゆる「上忍」の記録はほとんどありません。井原は藩主側近の軍師格の存在で、忍びともはや言えないのかもしれませんが、池波正太郎『真田太平記』の家康の側近山中大和守俊房とか、本当にいたら井原みたいな感じかとも思うのです。
展示史料は展示のHP( https://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/fukui/08/2022exhb/202208m/20220826m.html )からそれぞれデジタルアーカイブを見られるので、あえて行く必要はないかと思っていたのですが、やはり原資料のもつ存在感は特別です。また、文書館主任の長野栄俊さんが撮った、井原が福井城の鬼門にあたる丸山に勧請した八角石の写真があったりと、HP以外の解題も充実していました、そのほかいろいろと見やすくする工夫がしてありました。
また、同時期に福井県文書館と同場所にある福井ふるさと文学館で、秋季企画展「師・萩原朔太郎と三好達治」(2022年10月1日(土)~2023年1月9日(月・祝))が開催されています。私は9月30日に一部を見せていただいたのですが、自筆資料がとても多いほか、三好達治と萩原朔太郎の関係がよくわかる展示になっていて、これを見に行く価値もあります。
「井原番右衛門」展のほうは、会期はあと少しですが、「萩原朔太郎と三好達治」展はまだまだ会期がありますし、よろしければご覧ください。(吉丸記)