国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(学生通信)『忍者と玉秀斎 その11』(院生 四代目・玉田玉秀斎)

2022年12月23日

玉秀斎の本丸に近づく忍びたち。

2021年が終わりを迎え、2022年がはじまった。
新しい年になってもコロナは落ち着いていない。
そんな中、聖徳太子が薨御されて1400年がたち、各地で様々な催しが開催されている。
『歴史物語を語るのが講談師の勤め』ということで、聖徳太子の物語を各地で語らせて頂く事になった。

聖徳太子を語るとどうしても秦河勝が出てくる。
秦河勝が出てくると『孫子の兵法』が出てくる。
さらに大伴細人が出てくる。
そう、『志能便』の登場だ。

玉秀斎が語ると、どうやら当たり前のように忍びが出てくる。
ついには、脳の中まで忍びがでてくるようになった。
「三重大学大学院には忍者・忍術学コースというのがあって、忍者に関わりがあることだけで大学院修士課程が修了できるらしいよ」。

そして、
「物語の忍者ってリアル忍者と全然違うわけでしょ。リアル忍者とフィクション忍者の違いは何?」

「知らん。先代・南陵が生きていたら、何でも聞けたが、もういないのだ!!」
「なら、自分で調べりゃいいじゃん」
「そうだ。そうだ。自分で勉強すればいいよ。南陵もよく言ってたよ。お前は勉強が足らんって」
「確かに・・・」
勉強が足りてないのは自覚していた。
「そうか、大学院か…」
思わず、揺れ動いた心に脳ははやしたてた。
「受験、受験、受験・・・」
「うるさい!!そんな時間がどこにある?」
「ないなら作ればいいじゃん。いつも人前で偉そうなことを言ってるよ」
「うっ・・・」
知らない間に脳を忍びに盗まれていたらしい。

「でも、受験の為には色々と書類が必要だし、きっと間に合わない。ほら、大学の成績証明書とか!!」
「やってみなくちゃわからないよ。諦めずにギリギリの状況を耐え忍んで、結果を出す。それが忍びだよ。ダメでもともと。たまたま行けたならラッキー」
「忍びじゃないもん」
「『たまたまの人生』なんでしょ。『たまたま』に懸けてみなよ」
『たまたまの人生』というキーワードに弱い玉秀斎はついに重い腰を上げた。(院生 四代目・玉田玉秀斎記)