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(学生通信)『忍者と玉秀斎 その17』(院生 四代目・玉田玉秀斎)
2023年06月15日
ここ数回は大学院試験、当日の模様を続き読みで書いている。
今回は面接試験の模様を書く。
面接試験なんていつ以来なんだろう。
オーディションというのは講談師になって、何度か受けたことがある。
基本的に苦手だ。
自分で獲物を獲得しにいく行為がどうも上手くない。
心のどこかに、「この仕事はやっといた方がいいな」「獲れたら、ラッキーだなぁ」ぐらいの気持ちしかないから、会場につくと何もできずに帰ってくることになる。
しかし、今回の面接は自らが望んで選んだ道。
筆記試験を受けた教室で待っていると、一番最初に名前を呼ばれた。
「よしっ」と心の中で、静かに気合を入れ、面接試験の教室の扉をノックする。
大昔どこかで読んだ事のある面接試験の受け方マニュアルの記憶を一生懸命に思い出しながら、部屋へと入った。
そこには4人の先生らしき方々がいた。
見届け人(?)的な方が2名。司会をして下さる方が1名。そして、試験官が1名。全員で4人と僕という状況だった。
最初にかけられた言葉は
「お座り下さい」
「資料があれば、どうぞお出しください」
だった。
そう、この面接には自分の前に机があるのだ。
ここに資料を置いて、それを見ながら自分が大学院修士課程でしたい研究を述べるということなのだ。
僕はその時心の中で「聞いてないよ~」と叫んだ。
「あっ、すみません。何も資料がないです」
この時の沈黙は、笑うポイントで受けなかった時よりも辛かった。
「何をしに来た」感が教室中に漂う。
その時に遅れて、もう一人の面接官の先生が入って来られた。
いよいよ面接がスタートだ。
詳しい内容は余り書かない方がいいかもしれないので、控えるが、僕の心の内の言葉だけ書いておく。
「えっ、どういうこと?」
「えっ、何が違うの?」
「そこに違いがあるの?」
「学問にならないの?」
「学問って、こんなに厳しいの?適当に生ききてすみません」
面接が終わった僕はサンドバック状態で、三重大学を去るのでした。(院生 四代目・玉田玉秀斎記)