国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(学生通信)中国人の「第一人者」という私 (院生 鄒開宇)

2019年07月12日

 こんにちは、三重大学人文社会科学研究科大学院生で中国人の鄒開宇です。今は忍者忍術学コースを専攻しています。そして、この専攻を勉強する初めての中国人も私です。
正直に言えば、最初に私は「日本で何を勉強していますか」という話題を中国人同士に質問されるとき、少し恥ずかしい気がしました。しかし、「えー?こういう専門もあるか?」「本当?それはなんですか?」という反応にはもう慣れました。私は初めの人、即ち「第一人者」ですから、自分の専門を誰も知っていないのも仕方がありませんね。
 だが、それとは別に確かに「第一人者」という言葉の背後にあるストレスと挑戦の難しさをよく実感しました。去年研究生として授業を始めたばかりの時、先生が授業でおっしゃったお話の内容は、日常会話であればほぼ分かるものの、専門用語や専門名詞などは全く聞き取れませんでした。これより頭が痛いのはやはりくずし字と古典日本語です。書道や日本古典を勉強したことがない私のような外国人にとってこれは本当に難しいと痛感し、しかも、この分野で初めての中国人の留学生ですから、母語で簡単に手伝いをもらえる先輩でも誰もないです。一年間の勉強を経て、くずし字や古典日本語はまだ難しいですが、ようやく少しは分かるようになりました。
 実は、まったく留学で勉強する専門が決まっていないうちにインターネットで山田先生のニュースを見ました。「信じられない!こんな専門でもあるんだよね!」と感嘆し、その中の山田先生が取材されるインタビューを見て、先生への尊敬の気持ちを持っていきました。それだけではなく、私はもともと『NARUTO-ナルト-』が完結されるまでもう十年間も見ていた忠実なファンです。ですから、日本に来て山田先生に従って、真実の忍者の学問を勉強することにしました。
 しかし、実際の勉強を始めてから、本当の忍者と『NARUTO-ナルト-』の中のアニメーションの忍者は全然違っていると分かりました。例えば、本当の忍者は決して自分の真実の身分をあかさず、すべての行動は秘密のままで行われます。しかも、一番大事な務めは戦いではなく、できるかぎり順調に情報の入手し、伝達することです。これらの忍者に対する新しい認識は不思議でしたが、歴史上に実在した忍者を心から敬服しています。彼らは普通の人には耐えられないハードなトレーニングに耐えられるだけでなく、様々な生存技能を備えて、自分の秘密を完璧に守ることができます。これを叶えられるのは忍者が「正心」という忍者の精神を持っているからです。つまり、責任感と使命感をはじめとする優秀な東亜の伝統的な品質のおかげだと思います。
 真実の忍者の知識を勉強した後、私にとって、忍者の意味をあらためて考える必要が生じました。忍者は簡単なキャラクターのようなイメージだけでなく、熱血と青春のシンボルでもないです。この専門分野に専念する初めの中国人だからこそ、この日本しかない神秘的で逞しい文化をしっかりと身につけて、一人でも多くの中国人に紹介して、立派なこの領域の中国人の「第一人者」になるのが私の責任と使命ではないでしょうか。(院生 鄒開宇)