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(学生通信)ひとりがすきか、皆がすきか。主はどちらじゃ。(院生 凛)
2019年07月16日
皆の衆、息災にござるか。徳川家康と服部半蔵忍者隊は軽業の凛ともうす。拙者は昨日より空飛ぶ鉄籠に乗り七時間、現在はジャカルタ国にて任務を遂行しておる真っ最中じゃ。さて、早速じゃがこたびは皆に質問をいたそう。
「ひとりで行う任務と皆で行う任務、どちらがすきじゃ。」
かく言う拙者は先日、大学院の授業にて吉丸先生よりこのように問われ、即答することができなんだ。我ら服部半蔵忍者隊は基本的にはふたり以上で任務を遂行することが多く、こたびの戦も半蔵様とともに出陣しておる。
任務を何人編成で行うかについては、三大忍術書のひとつである「正忍記」につぎのような記述がござる。
一、二人忍びの事
此の忍び、壱人忍ぶよりなりにくきものなり。二人能く心をひとつにして相図、手つがい離れざる様にすべし。すこしにても違う時は、一人の忍びにはおとれりと知るべし。
一、三人忍びの事
是二人忍びと同じ。況に三人と云うよりは、何人にても手つがい替わる事なし。是又上手の揃わねばならぬ事なり。古より忍びは敵多き程成り難きなり。心をひとしくして、手つがいのつまり大事なり。若し此の内おくれたるもの有れば、ひかれて強き者もおくれる事有り。智の浅きもの、つたなきものは必ずがいとなる。心得べきの道なり。
なるほど、たしかに複数人での任務にあたっては、※“手つがい”がより重要になると拙者も日々の任務から痛感しておる。そして、そのためにはお互いの価値観をよく知ることが先決じゃ。
反してその道のりは長く険しい。信頼関係は一朝一夕で育まれるものではござらん。ゆえに、ごく稀に行うひとり忍びにて、自由ややり甲斐を感じる瞬間がござることも事実じゃ。
しかし、こたびのジャカルタ国での戦は、拙者ひとりでは到底味わえぬ充実感を伴った良き旅でござった。日々のちいさき幸せは、いつでも身近な者たちが運んできてくれることを忘れてはなるまい。(院生 凛記)
※“手つがい”
「二人ひと組になること」「だんどり、準備」