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(学生通信)「孫子兵法」の「用間編」について④(院生 リトクヨウ)
2020年07月10日
皆さん、こんにちは、院生一年生のリトクヨウです。
「用間編」について、今回は④回目で、最後だと思います、どうぞよろしくお願いいたします。
凡军之所欲击,城之所欲攻,人之所欲杀,必先知其守将,左右,谒者,门者,舍人之姓名,令吾间必索知之。
必索敌人之间来间我者,因而利之,导而舍之,故反间可得而用也。因是而知之,故乡间、内间可得而使也;因是而知之,故死间为诳事,可使告敌。因是而知之,故生间可使如期。五间之事,主必知之,知之必在于反间,故反间不可不厚也。
昔殷之兴也,伊挚在夏;周之兴也,吕牙在殷。故惟明君贤将,能以上智为间者,必成大功。此兵之要,三军之所恃而动也。
凡そ軍の撃たんと欲する所、城の攻めんと欲する所、人の殺さんと欲する所は、必らず先ず其の守将? 左右? 謁者? 門者? 舎人の姓名を知り、吾が間をして必らず索[もと]めてこれを知らしむ。
敵間の来たって我れを間する者、因りてこれを利し、導きてこれを舎せしむ。故に反間得て用うべきなり。是れに因りてこれを知る。故に郷間、内間得て使うべきなり。是れに因りてこれを知る。故に死間誑事を為して敵に告げしむべし。是れに因りてこれを知る。故に生間期の如くならしべし。五間の事は主必らずこれを知る。これを知るは必ず反間に在り。故に反間は厚くせざるべからざるなり。
昔、殷の起こるや、伊摯[いし]夏に在り。周の興こるや、呂牙殷に在り。故に惟だ明主賢将のみ能く上智を以て間者と為して必らず大功を成す。此れ兵の要にして、三軍の恃みて動く所なり。
撃ちたい軍隊、 攻めたい城、 殺したい人物については、必ずそれを守る将軍、左右の近臣、奏聞者、門を守る者、宮中を守る役人の姓名をまず知って、味方の間諜に必ずさらに追求して、それらの人物のことを調べさせる。
敵の間諜でこちらにやってきてスパイをしている者は、つけこんでそれに利益を与え、うまく誘ってこちらにつかせる。そこで反間として用いることができる。反間によって敵情がわかるから、因間や内間も使うことができる。反間によって敵情がわかるから、死間を使って偽りごとをした上で、敵方に告げさせることができる。反間によって敵情がわかるから、生間を計画どおりに働かせることができる。五とおりの間諜の情報は、君主が必ずそれをわきまえるが、それが知れるもとは、必ず反間によってである。そこで、反間はぜひとも厚遇すべきである。
昔、殷王朝が始まるときには、建国の功臣伊摯が間諜として敵の夏の国に入り込んだ。周王朝が始まるときには、建国の功臣呂牙が間諜として敵の殷の国に入り込んだ。だから、聡明な君主やすぐれた将軍であってこそ、はじめてすぐれた知恵者を間諜として、必ず偉大な功業を成し遂げることができるのである。この間諜こそ戦争のかなめであり、全軍がそれに頼って行動するものである。
この部分では、一番注文するのは「反間」ついての内容です。つまり、五種類の用間には一番重要なのは反間で、すべての間諜は反間により行動します。それに、反間を用いるのは、必ず金、官位などのほしいものを 沢山与え、寝返らせる。さて。詳しくこの部分をいきましょう。
是れに因りてこれを知る。故に郷間、内間得て使うべきなり。
梅尧臣:その国のどの人、どの官人が使われる。すべては反間により知られる。
張硕:反間により、その国での欲深い者、官人の内に誰と誰がきらいあうことを知り、それを利用する。
つまり、反間と話して、情報を聞き出します。そして、必ずその反間を寝返らせるというのもないですが、ただ沢山美味しい物をご馳走して、ずっと話し合って、こうしたら、必ず何か情報が出るわけです。その情報によって、いろいろな用間を用いります。
終わりに中国歴史上の名人を反間の例としてあげられていますが、中国ではずっと昔からも反対意見が強く、反間だと不適切だと主張しています。この文には将軍の能力を求めいるのと考えます。
「孫子兵法」は「始計編」から「用間編」まで終わり、ずっと一つの核心を提唱しています。つまり「勝ってから戦う」ということであります。そうでしたら、負けることも少なくなるのです。
以上で、「用間編」はここでお終わりしたいと思います、簡単に書きましたが、もっと深く研究しようと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(院生 リトクヨウ記)