国際忍者研究センター

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(学生通信)映画レビュー㉒「ニンジャ・アベンジャーズ」<2013年、監督:アイザック・フロレンティーン>(院生 郷原匠)

2020年11月30日

 本日紹介する映画は、2013年に公開された「ニンジャ・アベンジャーズ」というアメリカ映画です。2009年に製作された映画「NINJA」の続編であり、主演はスコット・アドキンス氏、助演俳優としてケイン・コスギ氏、肘井美佳氏が出演されています。監督のアイザック・フロレンティーン氏は空手家としても活動されているようです、

 プライムビデオによる平均評価は、★5中、★4で、なかなかの高評価です。感想の中には「日本では表現できないアクション」「アクション最高」「本物のアクション」といったように、アクションシーンを褒めるものが数多く寄せられていました。今回は珍しいことに、これといった酷評は見当たりませんでした。

 日本で甲賀流忍術を極めたケイシー・ボウマン(スコット・アドキンス)は、甲賀道場の跡取り娘である武田波子(肘井美佳)と結婚し、幸せな生活を送っていました。しかしある夜、波子が何者かの襲撃によって、身籠った子供と共に惨殺されてしまいます。途方に暮れ、何もかもやる気を失っていたケイシーですが、かつての兄弟子であった中原(ケイン・コスギ)の誘いで、彼が道場を経営しているタイのバンコクへと渡ります。ケイシーはそこで、かつて修行した甲賀道場の師匠・武田のライバルだったゴロー(菅田俊)が、現在ミャンマーの麻薬密売組織を仕切っており、その組織が波子の殺害に関与していることを知りました。復讐を決意したケイシーは、単身でミャンマーへと向かったのですが・・・。以上ストーリーの冒頭部分を紹介しました。

 アベンジャーズといえば、アメリカン・コミックに登場するヒーロー達を集結させた、夢のようなヒーロー軍団であり、2019年に公開された「アベンジャーズ/エンドゲーム」(監督:ジョー・ルッソ、アンソニー・ルッソ)は、「アバター」(2009年、監督:ジェームズ・キャメロン)を抜いて、世界映画興行収入の歴代1位となりました。アイアンマンをはじめ、キャプテン・アメリカ、ソー、ブラック・ウィドウなど数多くの魅力的なヒーローが勢揃いしており、世界中に熱狂的なファンを獲得しています。

 そんな大人気のアベンジャーズをもとにしたと思われる、今回の「ニンジャ・アベンジャーズ」。一体どんな魅力的な忍者達が登場するのだろうかと非常にワクワクしておりました。しかし映画を観てビックリ、主人公の忍者はケイシー・ボウマン一人しか登場しないのです!「どこがアベンジャーズだよ!」と画面越しに叫んでしまいました。それもそのはず、この映画の原題は「Ninja:Shadow of a Tear」で、直訳すれば「忍者~涙の影~」となります。前回レビューした「ニンジャVSミュータントゾンビーズ」のように、甚だしいタイトル詐欺に遭ってしまいました。何度も何度も申し上げますが、余程の自信がない限り、原題をぶち壊すような邦題を付けるのは本当にやめて頂きたいです。

 しかしそれを無視すれば、この映画はアクション、ストーリー共に非常によくでき上がっており、数ある忍者映画の中でも、その質はトップレベルに位置付けることができると思いました。洋画にしか作れないようなアクションシーンも多数存在し、非常に爽快感を感じられました。

「オススメの忍者映画は何?」と聞かれれば、私は自信を持って「ニンジャ・アベンジャーズだよ!」と答えられる自信があります。まだ忍者映画を観たことがないという方は、入門編として、ぜひこの映画を観て頂きたく思います。

 以上で今回のレビューを終わります。次回は「くのいち服部七変化 服部紗織」(2009年、監督:BNS)をレビューしたいと思います!(院生 郷原記)