国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(お知らせ/エッセイ)第4回国際忍者学会大会のお知らせ(吉丸雄哉)

2020年12月11日

第4回国際忍者学会大会と巡検のプログラムが国際忍者学会のホームページに出ている(https://intlninja.com/update/4thmtg-detail/)。もともと2020年9月5日6日に甲賀市で行うはずが、2021年2月13日14日に延期になった。延期の時点で、さすがに2月にはコロナ禍も収まっているだろうと思ったものの、実際には12月の今で第三波が立ち昇っているところで、先行きはたいへん暗い。今年度の学会はオンライン開催になったものも多く、技術的にはもちろんオンライン学会として開催可能だが、国際忍者学会は忍者学の普及と隆盛を目的として地方大会を開いているのであり、地方自治体が会場の幹事になる以上、人が実際に集まらない学会を開催するメリットがないのである。1月上旬に開催か再延期の決定がなされるはずだが、やはり学会が一年開催されないと学問の進歩には悪影響が及ぶわけで、開催されることを願っている。

さて、発表題目
https://intlninja.com/wp/wp-content/uploads/2020/12/54146a98e0ee10c3891da90e2ba0e32f.pdf )と発表要旨( https://intlninja.com/wp/wp-content/uploads/2020/12/54146a98e0ee10c3891da90e2ba0e32f.pdf )はホームページで読める。発表が6件、ポスター発表が2件と充実した内容である。とくに甲賀忍術研究会から4名の発表があるのは、長年地道に研究してきた成果だろう。名前はよく聞くが実態がよくわからなかった「忍術丸」について知ることができるのも楽しみである。

今回の発表順はテーマの時代順になっている。最後の発表者である立命館大学の黒川清登先生は経済学部の所属である。ポスター発表する学生・院生さんは黒川先生の指導学生で、なぜ甲賀テーマ?と思ったところ、立命館大学経済学部は滋賀県草津市に「びわこ・くさつキャンパス」があるので、地域研究として甲賀市や忍者をテーマにした模様。なるほど、「びわこ・くさつキャンパス」から甲賀市は、三重大学上浜キャンパスから伊賀市より近いぐらいである。黒川先生は、英語で申し込まれたが、聴衆が日本人ばかりなので、学会発表は日本語でお願いした。研究誌は英語で掲載可能であるとお伝えしたので、今後英語論文が掲載されることがあるかもしれない。学会名に「国際」とついていなかったら発表応募しなかったと言われた。背伸びして国際学会にした甲斐があったものだ。
 忍者研究はどうしても日本史を中心にした研究になりやすいが、過去の学会・研究会でも観光に関する発表も多く、そのあたりが国際的な忍者研究の突破口なのかもしれない。(吉丸記)