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(学生通信)キャンプ流忍術修行(院生 河村昌樹)
2021年04月30日
街中に暮らしていると、どこにでも街灯があり、懐中電灯を持たなくても何不自由なく歩くことができます。そのため、現代人は夜の暗さについてとても鈍感になっています。しかしながら、キャンプ等で自然の中に出ると、明るいところと暗いところが有り、懐中電灯がないと歩けないと思ったことは無いでしょうか?
しかしながら、人間の目は私たちが思っている以上に優秀で、暗さに慣れてくると(暗順応)懐中電灯が無くても結構見えてきます。
私が以前赴任していたキャンプ場では、キャンプファイアの終わりに、小さくなった火の中で、空を見上げてくださいと星空を見上げてもらいそこで簡単な星のお話をします。その後、一分間ゲーム(目を閉じて座り、心の中で1分間数え1分立った人から目を閉じたまま立ち上を向いてもらう、全員が立ち終わると目を開ける)を行い、全員が目を上げると暗反応の結果、先ほどよりもたくさんの星空が見えてきます。そして目を下げると、こんどは目の前には残り火で星型ができあがるという演出を行っています。そしてその後は、そのまま電気をつけず、2列に並び、3分間で着く陸生蛍(オオオバボタル)の幼虫が見られる場所に案内をします。オオオバボタルの幼虫の光はとても弱く、暗闇に目が慣れていないと見る事が出来ませんが・・・ 目が慣れているので蛍の淡い光を見る事も出来ます。
ちなみに陸生蛍の幼虫は4月頃から11月頃まで見る事が出来るのでキャンプシーズンはいつでも見る事が出来ますし、蛍の発光を見つけたのは偶然で荷物を運ぶために両手が塞がっているため懐中電灯を使わず歩いていて発見しました。
単純な暗反応ですが暗闇に目が慣れる事で新たな発見や感動体験を得る事が出来ます。
また満月の夜は、明るくて星は見えませんがその代わり月明かりで自分の影を見る事が出来ます。これも明るい町中では見つける事が出来ない発見です。
暗反応の演出のために小学校など一般のお客さんには一分間ゲームをし、忍者体験キャンプの時は九字の呪文を唱えている間(20秒程度)に星形を作ります。この早業と演出も私流の忍術です。
コロナ禍で野外活動施設の学校利用は激減していますが忍術の腕が落ちないように日々修行中です。(院生 河村記)