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(学生通信)中国十大刺客⑧(院生 鄒開宇)
2021年06月22日
皆さん、こんにちは。中国から来た三重大学大学院人文社会科学研究科の鄒開宇です。前回は中国の元朝時代の刺客王著を紹介しましたが、今日は引き続き中国の十大刺客を紹介します。今日は第八位を紹介します。 この人物は春秋時代の晋国に住んでいた伝説の刺客です。彼の事績は『左伝』の中にすばらしい描写があります。
春秋時代晋国の君主の中に晋霊公(しんれいこう)がいます。彼は自分の貪欲を抑えない人で、周囲の自分の好みを満足させない召使いと大臣を思う存分処罰し、国家に対して、ただ自分の虚栄心を満足させるために、必要のない建築物を多く建設し、庶民の負担を無駄に増やし、富を奪い、晋の民に彼の統治に不満を持たせました。宰相の趙盾(ちょうとん)はしばしば晋霊公にむやみなことをしないように勧めたが、晋霊公は全然聞かないで、かえって趙盾がだんだん嫌いになりました。
紀元前607年、晋霊公の好きな大臣の屠岸賈(とうあんぐ)は趙盾を暗殺する陰謀を晋霊公に提出しました。「私の手下に鉏麑(そげい)という刺客がいます。彼は貧しい家庭から生まれて、よく彼に恩恵をあげました。そのため彼は恩返しをするために命の代価を払っても後悔しないほど忠実です。彼を利用して趙盾を暗殺したら必ず遂行できます。」ある夜、晋霊公と屠岸賈は密かに酒の肴を彼に呼びました。「趙盾という人は権力が大きすぎて、君主さえ彼の言いなりを聞かなくてはならない。今はおまえに趙盾を刺殺させろ。大事を遅らせることはできん。」
鉏麑は命令を受けて趙府の近くに潜伏しはじめました。ある朝、彼は趙府の大門が全部開いているのを見て、中門から入ってきました。そっちに潜入したら趙府の会堂にはたくさんの明かりがある様子を見ました。会堂の中に趙盾は朝廷の服を着て、朝廷の帽子をかぶっています。そしてすべての朝廷が会議を挙げる時に使うアクセサリーも全部つけています。きちんと会堂の中に座って太陽が昇って朝廷へ行くのを待っています。「趙盾という人は朝廷に対してこんなに恭敬していて、きっと忠義な大臣だ!忠臣を暗殺するということは、道義に反することだが、君主の命令を受けながら、任務を放棄するのは信用を失うことだ。道義も信用もなくなったら、生きていて何の意味があるか?」鉏麑はそう思ったら、門の外で大声で叫び出しました。「私、鉏麑です!私はむしろ君主の命令に背きたくても、忠臣を殺すことができないのだから、私は今自殺します!しかし、他の刺客が暗殺される恐れがあるので、趙様は注意してください。」そう言って彼は門の前の大きなアカシアの木に飛び込み、脳みそがはじけて死にました。この時、門番はびっくりして、彼はこのことを趙盾に教えました。趙盾はしきりにため息をついています。配下にしばらくアカシアのそばに埋めてくださいと言いました。
鉏麑はただ人並の刺客で、没落した士であるものの、彼は自分の命で春秋時代の忠義の悲歌を書きました。たとえ彼が立派な刺客でなくても、偉大な義士と言っても過言ではないです。彼は心の正義のために、自殺を選るので、たぶんこれは十大刺客の中で最もユニークで勇敢な行為でしょう。このこと自体は成功していない暗殺であるが、彼の人格的な魅力を達成しました。食い足りない底辺の人物としても、もはや刺客の程度をはるかに超えていて、義士と呼ばれることができるでしょうか。(院生 鄒開宇)