国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(学生通信)キャンプ流忍術修行⑨ (院生 河村昌樹)

2021年07月03日

 前回まで危険な生き物や毒のある植物についてお話しをしましたので今回は梅雨の生き物について書きたいと思います。
 私の勤務する施設では6月になるとモリアオガエルが池にかかる木の上に泡状の卵を産みます。そのため雨降りの日に池の周辺を歩くと産卵しているタイミングに出くわすことがあります。
 モリアオガエルのオスとメスどちらが大きいかご存知でしょうか?答えは、メスが圧倒的に大きく、産卵の時には一匹のメスに数匹のオスが集まって交尾している姿を見たことがあります。中には葉っぱを上手く使って姿が見えないようにして産卵をしていることもあります。
 モリアオガエルの卵は、産みたての頃は柔らかですが、少しずつ表面(外側)が固くなって、固い表面に守られ泡の中では卵からオタマジャクシに成長します。だいたい2週間ぐらい経過すると勢いのあるオタマジャクシが底の部分を破って水滴と一緒に出てきます。これが始まると中の水分が少しずつ出てしまうので、水分が無くなるまでに底にたどり着き池にダイブしないと、卵が固まってオタマジャクシは死んでしまいます。
 ただ、運良く池にダイブしても、池の中ではお腹をすかしたアカハライモリが落ちてくるのを待っています。野生はとっても厳しい世界です。それとこれも時折あることですが、あわてんぼうの親ガエルが、水たまりを池と思って産卵したケースです。この場合は、雨が続かなかったら水たまりが無くなってしまうこともありますし、運良く水たまりにダイブしてもその後もオタマジャクシが大人になるまで水たまりが維持される保証はありません。
 良いか悪いかわかりませんが?あまりにも哀れなのでポリペールに池の水を入れ、上から落ちてくるオタマジャクシを受けて池に入れてあげたこともありました。
 お父さんお母さんガエルにはしっかりと生む場所を確認して欲しいと思います。
 ただ、親ガエルも木の上には危険があってこの時期になると木登り名人のシマヘビが産卵しそうな木の近くで待ち伏せしているところを何度も見たことがあります。
 親ガエルたちも命をかけて産卵しています。
 ところで皆さんは「ヘビににらまれたカエル」見たことありますか?

 その時の写真がこれです。

 外に出ようとした時たまたまシマヘビがいて、その先にはモリアオガエルのメスがいました。
 シマヘビは私に驚いて逃げましたが・・・
 モリアオガエルのメスは完璧に固まっていました。
 コンクリートの上なので丸見えですし、草むらでもヘビにはばれると思いますが・・・
 草むらにこのように隠れられたら人間にはわからないと思いました。
 忍術に「ウズラ隠れの術」がありますが・・・ このモリアオガエルの姿を見て、緑色の布をかぶって草むらに隠れる「モリアオガエル隠れの術」を思いつきました。
 これからも自然の中で忍術を見つけたいと思います。