国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

ブログ

 

(学生通信)「忍者の世界を構成するモチーフのような何か(アニメ『RELEASE THE SPYCE』)」(院生N)

2018年10月26日

人文社会科学研究科修士課程1年のNです。早速ですが「RELEASE THE SPYCE」というアニメをご存知でしょうか。主人公の女子高生が情報機関「ツキカゲ」に所属し、悪の組織と戦うというのがごくごく簡単な内容です。

情報機関なのでスパイとして活躍するのですが、作品内では忍者を意識させるモチーフがよく登場します。忍者の装束を彷彿させる「ツキカゲ」の衣装、忍者屋敷のように仕掛けの多い「ツキカゲ」本部、刀やクナイや槍を使う戦闘シーン、アクロバティックな動き……などなど。劇中の登場人物にも「半蔵」や「藤林」といった忍者ゆかりの名前が使われています。そもそも忍者はスパイとしての側面がありますしね。

ところでこの作品は、あくまでも「忍者作品」ではありません。雑誌に掲載された制作者のインタビュー記事を見ても、忍者ではなくスパイを題材にしているとのことです。「忍者作品ではないけれど、忍者のモチーフが使われている作品」として見るべきでしょう。もしかすると、今後このように、「○○作品ではないけれど、設定として○○のモチーフが使われている作品」が増えるのかもしれません。

百合好きの目から見ると、『ゆるゆり』でおなじみのなもり先生がデザインした魅力的なキャラクターや、女の子同士の掛け合いが気になります。作中では先輩が後輩を指導するという師匠と弟子との関係があるのですが、これは「エス」に通じるものがあるのではないかと考えています(エスとは、少女同士の疑似的な恋愛関係を指します)。

百合というと、今期は仲谷鳰原作のアニメ「やがて君になる」も放送されており、こちらも見逃せません。(院生N記)

 

参考文献

TVアニメ「RELEASE THE SPYCE」公式サイトhttps://releasethespyce.jp/ (最終確認日2018年10月17日)

『月刊電撃G’s magazine 2018年11月号』KADOKAWA 2018年9月29日