国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(エッセイ)忍者学実践特講・忍者学実践演習(吉丸雄哉)

2018年12月12日

『万川集海』は全22巻と別巻「軍用秘記」からなる大部の忍術書だが、その核心は巻11から15までの陰忍編にあるだろう。「忍び」の技術が記された内容もさることながら、この部分だけ、内容を抄出した目録が存在し、手早く見直す必要があったからだと思われる。

さて、院生田中(仮)によって、三重大学大学院の入試情報やカリキュラムや教員の特徴が事細かに暴露されている。詳細は彼が書いたブログ記事を参考にして欲しいが、あまりに詳しいので彼は来年度まで生きていないかもしれない。

さて、三重大学の忍者忍術学は、史学の山田雄司・高尾善希と文学の私が教えているので、忍者学の入試やカリキュラムは基本的に史学か文学のディシプリンに基づいている。いずれ忍者忍術学固有の方法論が確立されれば、他にない教育が行われるのかもしれない。

院生田中(仮)も知らない情報として、「忍者学実践特講」「忍者学実践演習」が来年度より開講されることを教えよう。これは外部講師を招聘して、実技や実験をまじえながら、忍術の実践や検証を行う授業となる予定である。

私は講師ではないが、巻14陰忍四に書いてある、扉をあけるときにそれに紛れる風の音がなければ「閾(しきゐ)に尿して颯々(さつさ)と開く」が実践されるものと期待している。というのは冗談だが、現在忍術を教えているある道場では、この術を紹介しているそうで、実行されてもおかしくないかもしれない。

実際にどのような授業になるのかは、2019年4月以降に本学のシラバスを調べてみてほしい。(吉丸記)