国際忍者研究センター

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(学生通信)映画レビュー⑭「BLACKFOX:Age of the Ninja」<2019年、監督:坂本浩一>(院生 郷原匠)

2020年09月10日

 本日紹介する映画は、2019年に公開された「BLACKFOX:Age of the Ninja」という映画です。同年公開のアニメ映画「BLACKFOX」の連動企画として製作された実写映画であり、「狐」と称される忍者一族の次期当主・石動律花(いするぎりっか)の活躍を描いた作品となっています。監督の坂本浩一氏は、過去にスーパー戦隊、仮面ライダーシリーズなどの演出・監督を多く務めておられます。

 プライムビデオによる平均評価は★5中、★2つ半と、そこまで評価は高くありませんでした。感想としては「女性陣が美しすぎる」「まあまあ楽しめる」といった満足レビューが見られる中、「つまらない」「話のテンポが悪い」「アクションシーンが薄っぺらい」といった酷評レビューも多く残されていたことが少し残念でした。

 忍者一族「狐」の次期当主である石動律花(山本千尋)は、将棋で遊んでいる途中に、宮(矢島舞美)という謎の少女と出会います。彼女は身体から電気を発することができるという特殊能力の持ち主で、その能力ゆえ、根来衆という忍者軍団に追われていました。そこで律花は宮をかくまうことを決意し、狐の館に招待し、現当主・石動兵衛(倉田保昭)と面会します。そんな折、狐の館に根来衆が攻め込んできて宮がさらわれてしまいます。律花は宮を取り戻すために、狐の仮面をつけてBLACKFOXに変身し、根来衆と戦うことを決意します・・・。以上ストーリーの前半部分を紹介しました。身体から電気を発することについて、最初は「ピカチュウかよ!」と突っ込みたくなりましたが、何でもありの忍者映画にとっては、特に物珍しいことではないのかもしれません。

 この映画の注目点は、キャストの女優陣の美しさです。プライムビデオのレビューにもあった通り、出演されている女優の皆さんは綺麗な方ばかりで、配役としては満点であったように感じます。またくノ一映画に多い、「服装の露出」を一切していなかったことは、他のくノ一映画との差異化ができていてとても良かったです。ストーリーについても、とてもシンプルな構造で分かりやすく、特に最後のどんでん返しがとても面白かったです。

 一方で大きな改善点としては、アクションシーンにおける無駄なセリフの横行、俳優陣のセリフの棒読みなどが挙げられます。アクションの動きは良いのですが、余計な一言によってその流れを妨げてしまい、全体的に薄っぺらいアクションになっていたことがとても残念でした。セリフの棒読みについては、もはや忍者映画名物でありますが、本作品には、極端にひどい部分があったので、そこはぜひとも改善して頂きたく思います。

 映画の最後のシーンが、何やら意味あり気な感じになっており、もしかしたら今後続編が製作されるかもしれません。おそらく次回作は、石動律花が当主となってからのドタバタ劇を描いたモノになろうかと思いますが、現時点では何ともいえないので、次回作がどうなっているのかとても楽しみです。

 以上で今回のレビューを終わります。次回は「はぐれ組VS忍者」(2012年、監督:舞原賢三)をレビューしたいと思います! (院生 郷原記)