国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
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(学生通信)映画レビュー㉟「NINJA GIRLS おっぱい帝国の逆襲」<2002年、監督:遊法仁>(院生 郷原匠)

2021年05月26日

 本日紹介する映画は、2002年に作成された「NINJA GIRLS おっぱい帝国の逆襲」という映画です。おそらく全国上映はされていないものと思われます。非常にインパクトのある題名であり、面白そうだったので今回レビューしてみました。監督は遊法仁さんという方です。アダルトビデオ作品を多く作られている方で、映画自体はあまり撮られていない印象を受けました。

 プライムビデオのレビューもなく、★の評価もありませんでした。あまりにマニアックすぎて、周知されていないのでしょう。今後の知名度アップを願うばかりです。
 
 時は現代、白忍者の末裔であるキントキ(近藤和美)とアンミツ(神田有希子)は、自らがくノ一であることを隠しながらレースクイーンとして働いていました。そんなある日、仲間のレースクイーンの胸がなくなるという珍事件が勃発します。その原因を探ってみると、どうも白忍者のライバルである黒忍者が関与していることが分かりました。彼らが売っている「ミルキー・ボム」というペロペロキャンディーが、女性達の胸をなくしていたのです。この残酷な計画を阻止するために、キントキとアンミツは、同じ仲間のステキチと共に、黒忍者と闘うことを決意します。しかし黒忍者には、元優秀な白忍者として活躍していた三太夫が寝返っていたのです。果たしてキントキとアンミツは、黒忍者の野望を阻止することができるのでしょうか・・・。以上ストーリーの前半を紹介しました。忍者映画の大半は、伊賀忍者や甲賀忍者、風魔忍者をよく採用していますが、今回は「白忍者」と「黒忍者」という独自の忍者集団が採用されており、とても興味深く思いました。
 
 プライムビデオの紹介文には、「構想8年。紆余曲折を経て遂に完成した、B級カルト映画の真髄!超ハイテンション“セクシー忍者”ムービー、ここに見参!」という文言がありました。これまで数々のくノ一映画をレビューしてきましたが(「レッドブレイド」や「くノ一関ケ原」など。詳しくは過去のレビューブログをご覧下さい)、くノ一映画の特徴として、アクションシーンよりもエロシーンを強調する傾向があることが分かってきました。今回の作品についても、案の定、エロ重視の作品でした。

 しかし今回の作品は、他のくノ一映画とは少し系統が違っていて、なんと脚本にも力を入れているのです。本作品は、豊富な登場人物と魅力的なキャラクター設定の下でストーリーが進行するのですが、「この人物がこのシーンで主人公とつながるのか!」といった、少し感動的な伏線回収もあるのです。その点については本当に驚きました。忍者映画の大半は、アクション重視(くノ一映画はエロ重視)で、どうしても脚本が未熟になってしまう傾向にあるので、今回の作品は、くノ一映画の中でも意義深い作品といえます。

 ただその一方で問題も山積みです。本作品は驚異的な低予算で作られたものと思われ、昭和のAVのような粗い画質、出演者全員の棒読みセリフ、おもちゃの日本刀でのアクションシーン、面白いくらい背景にマッチしていないCG映像など、ツッコミ所が満載でした。これだけを見るとひどい作品のように思えますが、本作品は「B級カルト映画!」と、自信を持ってPRしているので、むしろこの粗っぽさも一つの特徴なのかなと感じてしまいます。

 ご興味のある方はご視聴くださいませ。

 以上で今回のレビューを終わります。次回は「超高速!参勤交代」(2014年、監督:本木克英)をレビューしたいと思います! (院生 郷原匠)