国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(学生通信)キャンプ流忍術修行⑥ (院生 河村昌樹)

2021年06月16日

 前回はスズメバチについて書きましたが今回はチャドクガについて書きます。
 チャドクガの毛虫は梅雨の季節と秋に発生することが多いのですが、私の勤務する施設でも3年前の6月に大発生して困った事がありました。
 チャドクガはスズメバチと違い、命の危険はありませんが、卵・毛虫(幼虫)・さなぎ・成虫の全てに毒針を備えていて、触らなくても近くを通るだけで、風で飛んできた毒針のために炎症を起こす被害が起こっています。
 そのため利用者に被害が出ないように、見つけたらすぐ駆除をしなくてはいけません。
 以前別の施設に勤務していた時、窓の外に植えられていたツバキにチャドクガの毛虫が発生
 しているのを知らず、窓を開けて寝てしまい、朝起きるとまぶたや顔が痛がゆく、皮膚科で飲み薬と塗り薬を処方してもらった経験をしました。
 チャドクガの毒針は風が吹くと飛散するので、近づく際はカッパ、マスク、ゴーグル、ゴム手袋を着用し、肌を極力露出しないようにし、風上側から近づいて作業行う等、細心の注意を
払っています。
 幸いな事にチャドクガが発生する木(茶・ツバキ・サザンカ)は、私の施設ではサザンカが
10本程度と限定されているので、定期的に巡回する事で、卵段階の駆除や、見逃して発生しても全体に広がる前に防ぐことが出来ています。 
 チャドクガの発生は利用者被害に直結する事なので安全のために排除する事はやむを得ませんが・・・
 スズメバチの巣と一緒で、殺生をする事に対して心苦しさを感じてしまいます。
 なかなか忍者のように冷徹にはなりきれません。まだまだ修行不足です。
 確か忍術の中にも虫遁の術があったかと思いますが・・・ 忍者はチャドクガの研究をしていたでしょうか? もしチャドクガを大発生させたら、かなり強力な嫌がらせの術になると思います。
 良い子皆さんは絶対やらないでくださいね。
 なお、チャドクガの写真は幼虫・成虫共に、とても気持ちが悪いので・・・ ネットで検索される際は気をつけてください。あまりお勧めしません。
 今のところチャドクガは発生していませんが・・・ 
 これからも発生しないことを祈るばかりです。
 毒虫の生態を知り、対応力を身につけることも私にとっての忍者修行のひとつです。(院生 河村)