国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

ブログ

 

(学生通信)「 キャンプ流忍術修行⑪ (院生 河村昌樹)

2021年07月17日

今回はツバメの子育てについて書きたいと思います。
今、私の勤務する施設の玄関には、ツバメとコシアカツバメが施設の軒に巣を作り、子育て中です。しかしながら、昨年からコロナ禍のために異変が起こっています。
どんな異変かと言うと、施設の玄関は利用者が一番多く利用する場所なので天敵であるカラスやヘビが近づきにくく、巣を作るツバメたちにとっては優良物件だったのですが・・・ 昨年と今年の2年間は、ツバメが子育てする時期に新型コロナ感染が拡大し、多くの利用者がキャンセルになり、一番の天敵であるカラスに襲われる事が多くなりました。 そのため例年6~8箇所有った巣も、今年は2箇所しか出来ていません。また、巣が少ないと必然的に親ツバメの数も少なくなるのでカラスから巣を守りにくくなります。
カラスは頭が良いので・・・ その状況を察して親ツバメの隙を狙って巣を襲っています。ま
たよく見ていると、ツバメの巣を襲う前に、雛がどの程度成長しているのかをカラスは下調べにやって来ます。親ツバメがたくさんいれば、カラスが来た時に、体当たりをして追い出します。私は電信柱に止まって様子をうかがっているカラスに体当たりをするツバメを何度も見たことがあります。子どもを守るために、自分より何倍も大きいカラスに必死に攻撃を仕掛ける親ツバメの愛は本当にすごいと思います。
 生き物の世界は弱肉強食なので、人間が勝手な考えで特定の生き物を保護することは生態系のバランスを崩すことになりかねないのでいけないことはわかっています。
 それでも人を頼って巣を作るツバメたちと、かわいい雛を見ていると「頑張れ!」と応援したくなってしまいます。
 早くコロナ禍が収束し、人間やツバメたちが安心できる施設になって欲しいと願います。
 今回は愛情いっぱいの親ツバメの子育て「体当たりの術」でした。(院生 河村昌樹記)
 

 巣立ち直前の子ツバメ     


 親ツバメからエサをもらう様子


筒状の入口があるコシアカツバメの巣

見慣れないのでスズメバチの巣と間違われる事も
中が見えないのでツバメよりも襲われにくい