国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
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(エッセイ)日本体育大学民和文庫の画像公開 (吉丸雄哉)

2021年11月01日

 私はFacebookのページを持っている。あまり更新しないし、更新しても「いいね」がつくことが少ない。しかし、最近「いいね」がたくさんついたのが、日本体育大学民和文庫の紹介である。
 国文学研究資料館が新日本古典籍総合データベースで、「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」事業により、収集した画像を公開しており、民和文庫もそのひとつだが、この民和文庫は武道書を多数収集しているからである。
https://kotenseki.nijl.ac.jp/page/list-nssu.html?fbclid=IwAR3YGjv9nU469YWy_jFCNpfqzlQvSMvplx3q_p8cyb41NUwgV17yDgZW25g
 私のFacebookフレンドは忍者忍術関係が多いので「いいね」がたくさんついたのである。ちょうど手裏剣のことを調べていて民和文庫の『玉成集』を見たのだが、聞いたことがない所蔵元だと思っていた。
 民和文庫は福島大学の教授などをつとめた中村民雄(1950~)の蔵書である。これだけの武道書を集めていることにまず驚くが、存命中の人物がそれを寄託なり寄贈なりしていることにさらに驚いた。
 せっかくの機会なので中村民雄『今、なぜ武道か』(日本武道館、2007)を読んでみたが、私が剣道をしていることもあってためになる内容だった。身体技能や施設・道具なども根本から考察を加えており、武道家なら柔道でも弓道でもなぎなたでも変わりなく参考になると思う。
本に関係していえば、

筆者が武道書を収集しはじめた一九七〇年代、名古屋の某古本屋で「ブドウ書ありませんか」と聞いたら、「あいにく家(うち)には葡萄酒の本は置いていないんですよ」と、何とも笑えない話を体験したことがある(37頁)

 とあって収集の苦労がしのばれる。そういう裏話があると、見る画像もよりおもむき深いと言えよう。(吉丸記)