国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(エッセイ/お知らせ)『忍者学研究』が二月二十一日に発刊予定(吉丸雄哉)

2022年01月19日

Amazonなどに予告が出ているが、2022年2月21日(月)に中央公論新社より三重大学国際忍者研究センター著・山田雄司編『忍者学研究』という本が刊行される。2020年2月6日に刊行された同社刊の『忍者学講義』の続編に相当し、『忍者学講義』と同様に、読売新聞伊賀版・伊勢版に掲載されていた「三重大発!忍び学でござる」をもとにした内容になっている。この2年間はコロナ禍が世間を覆っていたが、連載は順調であり、私もアナログ忍者ゲームというテーマで7回分の記事を掲載している。『忍者学講義』は理系の先生による文章が多かったが、メンバー入れ替わって前著より歴史系の文章が多くなった。そのためか「どんな修行をしていたのか、使っていた忍術の秘密とは……? 世界が注目する忍者の歴史と実態に、三重大学の研究者たちが迫る!」という宣伝文句になっている。
  私がアナログ忍者ゲームについて書いた文章は「忍者の歴史とも実態」とも離れた享受史というか表現史になっているが忍者をアナログゲームという切り口で分析することの意義を最初に説明してあるので、意味のあるなしはそれを見てから判断して欲しい。
 私は『忍者学講義』では芭蕉忍者説を扱ったが、新聞掲載文のまま収録したので委曲を尽くせず心残りであった。そのため『忍者学研究』は新聞掲載文を増補して読者が理解しやすくした。新聞を読んでいた方もあらためて目を通していただけるとありがたい。
 芭蕉忍者説は単行本に収録されることを想定してキリよく終わったが、アナログ忍者ゲームのほうはまだ折り返しぐらいである。「三重大発!忍び学でござる」をもとに三冊目の本が出るならそれで完了する予定なので、読売新聞をご覧にならない方は首を長くして待っていて欲しい。
 『忍者学講義』の発行後、コロナ流行直前の2020年2月22日にハイトピア伊賀で出版記念シンポジウムを行った。『忍者学研究』も同様に出版記念シンポジウムを行いたかったが、ここにきてのコロナの第六波のため、人を集めてのシンポジウムは難しい。著者のうち参加可能なものによるYoutubeをつかったシンポジウムが計画されている。これもいずれ詳細をお知らせできるのでお待ちください。(吉丸記)