国際忍者研究センター

三重大学では、伊賀地域の発展のために、
忍者の歴史や文化を研究し、その成果を発信しています。

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(エッセイ)アニメの忍者作品に復調の兆し(吉丸雄哉)

2022年06月02日

 2022年10月よりオリジナルアニメーション『忍びの一時』という忍者アニメが放送されるらしい。昨今のアニメでは原作があるほうが多いので、原作なしのオリジナルアニメーションとは珍しい。
すでにサイトがあってある程度の情報が下記のURLから手に入る。
https://ninja-ittoki.com/
 興味深いのは現代忍者物ながら伊賀と甲賀の抗争が入っていることで「伊賀と甲賀は長年対立しており、甲賀は伊賀を侵略しようとしている」という設定である。
 現実の伊賀や甲賀はどちらも人口減少に悩んでいる典型的な地方の町なので、どちらかがもう一方を侵略するほどのものかと思うのだが、ざっと見た感じでは都会を舞台にするようなので、現実の伊賀と甲賀の土地を取り合ったりするものではないだろう。三重県に住んでいる身としては、現実の伊賀や甲賀の土地が出てきてその後の聖地巡礼につながったりすると嬉しいのだが、それはたいして絵にならないのかもしれない。なにはともあれ秋の放送を楽しみにしたい。
 一時期、忍者物は減っていたのだが、2022年4月22日公開の映画『クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』もあって、また世間で忍者ブームが来ているのかもしれない。
https://www.shinchan-movie.com/
 によれば、いちおうはこの映画も現代忍者物といえるようだが、隔絶した土地が舞台の忍者物になっている。。
 そのほか山本崇一朗『くノ一ツバキの胸の内』が4月からアニメ化されていて、忍びの現実からは遠いだろうが、紛れもない忍者作品である。
 このように今年に入ってアニメの忍者作品に復調の兆しがあるようで、現代人にとって忍者がどのような魅力を持っているのか、注意深く観察したい。(吉丸記)